9月からスタートした今年度の演劇ネットワーク事業は、劇団柿喰う客の『ながぐつをはいたねこ』の上演と演出家・中屋敷法仁さんの演劇ワークショップを全国7カ所で実施しました。
この事業は、前年度に準備会議で上演作品の理解や制作ノウハウの共有、研修会で演出家が実施するアウトリーチプログラムを参加ホールの担当者が受講し、教育現場への説明や理解を促すサポートをします。
その準備期間を経て実施された今年のアウトリーチは、コミュニケーションゲームを中心としたプログラムを7県の小学校全12校で実施。高校生を対象にした演劇ワークショップでは、高校演劇の全国大会での受賞経験をもつ中屋敷さんが講師ということもあり、多くの生徒が積極的に参加しました。
『ながぐつをはいたねこ』の公演では、早々にチケットが完売するホールも多数ありました。お客様には親子連れも多く、愚かな人間と賢いネコの関係性を笑い声を上げながら楽しくご覧いただき、終演後のロビーでは、ワークショップを受けた小学生や高校生が出演者と楽しく話す姿が印象的でした。今回の上演作品の特徴は、各会場によってその会場の特性を生かした演出になっているため、各会場で演出が少しずつ異なります。同じ演目を間口の違う全国のホールで上演するという、このネットワーク事業ならではの公演が実現しました。
次号では、平成27年度事業の企画作品募集を行う予定です。
●平成25年度公共ホール演劇ネットワーク事業「柿喰う客 こどもと観る演劇プロジェクト2013 『ながぐつをはいたねこ』」
・9月24日~29日/ひたちなか市文化会館
・10月1日~6日/妙高市文化ホール
・10月8日~13日/金沢市民芸術村
・10月22日~26日/大垣市スイトピアセンター
・10月27日~11月3日/三重県総合文化センター三重県文化会館
・11月5日~10日/長久手市文化の家
・11月19日~23日/アルカスSASEBO
◎問い合わせ
芸術環境部 蔵満・福岡・大垣
Tel. 03-5573-4073