一般社団法人 地域創造

平成24年度「邦楽地域活性化事業」(千葉市)終了報告

 平成21年度のモデル事業から数えて4回目となる今年度の邦楽地域活性化事業は、初めて政令指定都市の千葉市で実施されました。アートプレックスちば事業体の主催により、同事業体が運営する3つのホールを拠点にして展開され、幹事的な役割を千葉市美浜文化ホールが担い、地域交流プログラムを実施する拠点として千葉市文化センター、千葉市若葉文化ホールが参加しました。
  まず、研修プログラムとして、8月10日に全体研修会が行われ、学校とホールの現地下見を経て、9月25日~28日に手法開発研修会が開かれました。今年度の全体研修会は平成23年度事業参加演奏家によるデモンストレーションを行ったほか、千葉県域の公立文化施設等に広く視察者を募り、本事業の仕組みを紹介しました。
  また今回は、アウトリーチ実施校の選定や学校下見、本番実施にあたって、小中学校を所管している千葉市教育委員会の全面的な協力が得られ、政令市ならではの連携体制が実現しました。
  アウトリーチでは、3チーム9名の演奏家が現代から古典まで幅広い選曲で市内の中学生に邦楽の魅力を伝えました(地域創造レター2012年11月号 P2-3参照)。ホールではワークショップを実施し、参加者は箏や三味線、胡弓など、伝統楽器の弾き方や音色を楽しみました。
  1月19日には、総括公演が開催されました。全演奏家が千葉市美浜文化ホールに再結集し、各チームが、アウトリーチプログラムに関連する曲を含む2曲を、前半・後半1曲ずつ演奏。幕間ではそれぞれのチームのリーダーへのインタビューが行われ、事業で接した子どもたちの声やワークショップの楽しさについて語りました。
  最後は参加演奏家全員の合奏により、本年度事業のディレクターを務めた美浜文化ホールの太田茂孝館長が作曲家・木村裕氏に邦楽器用に編曲を委嘱した『浜辺の歌』を披露。地元で親しまれている楽曲に会場全体に一体感が生まれ、演奏後もアンコールの手拍子が止まず、演奏家たちはそれに応えて再度演奏し、見事な初演となりました。

 

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総括公演の様子

 

●平成24年度邦楽地域活性化事業
[主催]アートプレックスちば事業体
[共催]千葉市、財団法人地域創造
[日程]2012年8月10日~2013年1月19日
[ディレクター]太田茂孝(千葉市美浜文化ホール館長)
[チーフコーディネーター]児玉真(地域創造プロデューサー)
[コーディネーター]山﨑篤典(島根県立いわみ芸術劇場相談役)、吉田真由美(公益財団法人日本伝統文化振興財団)、米澤浩(邦楽演奏家、NPO法人日本音楽集団)
[アドバイザー]谷垣内和子(公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 実演芸術振興部)
[演奏家]中香里、五十川真子、河野紫(拠点ホール:千葉市文化センター)/伊藤麻衣子、木場大輔、麻植理恵子(拠点ホール:千葉市若葉文化ホール)/朝香麻美子、佐々木千香能、小間夕起子(拠点ホール:千葉市美浜文化ホール)
[問い合わせ]総務部 村松・布施
Tel. 03 -5573 -4056

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