地域創造大賞(総務大臣賞)発表
平成24年度「地域創造大賞(総務大臣賞)」が次のとおり決定いたしました。
◎札幌芸術の森(札幌市)
◎ひたちなか市文化会館(茨城県ひたちなか市)
◎飯田文化会館(長野県飯田市)
◎島根県芸術文化センター グラントワ(島根県)
◎真庭市久世エスパスセンター(岡山県真庭市)
◎とぎつカナリーホール(長崎県時津町)
◎三股町立文化会館(宮崎県三股町)
この総務大臣賞は、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰するものです。受賞施設の活動を全国に広く紹介することにより、公立文化施設のさらなる活性化を図り、美しく心豊かなふるさとづくりの推進に寄与することを目的として、平成16年度に創設されたもので、今年度が9回目の表彰です。
◎表彰の主なポイント
・ 地方公共団体等が、文化・芸術による地域振興やふるさとづくりという地域を豊かにするための行政の目的に沿った芸術文化振興ビジョンや公立文化施設の理念、使命を持ち、それを達成するための施設運営がなされているかどうか
・ 先進性、テーマ性を有する自主企画作品の制作、公演や自主企画展覧会の開催等創造的な活動に取り組むとともに、内外の優れた作品の鑑賞機会の提供に意欲的に取り組んでいるか
・ 地域住民の文化・芸術活動の育成支援、教育普及活動、住民参加・参画など地域住民との協働(コラボレーション)に意欲的に取り組んでいるか
全国の地方公共団体から応募・推薦のあった施設を対象に、これらを基準として、専門家で構成する「地域創造大賞審査委員会」において厳正に審査を行い、その結果を受けて決定いたしました。
ご応募いただきました施設は、いずれも限られた予算の中で地域の特色を活かした運営をされているユニークな施設でありました。とりわけ今回受賞した7施設につきましては、いずれも専門性を有しつつ、地域と連携した事業や創意工夫を凝らした事業を継続的に実施していることが高く評価されました。なお選考に当たっては、事業の継続性にかんがみ、施設の開館経過年数のほか、地域およびジャンル等のバランスも考慮いたしました。
今回の賞は、受賞された施設の設置者のみならず、それらの施設を支え、文化・芸術による地域づくりに参加していただいている地域の皆様のご活躍に対する評価を込めて贈られるものです。心よりお祝い申し上げますとともに、今後のさらなるご発展を期待しております。
●地域創造大賞審査委員会
【委員長】扇田昭彦(演劇評論家)
【委員長代理】田村孝子(静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ館長)
【委員】加藤恒夫(一般社団法人芸術資源マネジメント研究所代表理事)、梶田信一郎(財団法人地域創造理事長)、熊倉純子(東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科教授)、小林真理(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)、坪池栄子(株式会社文化科学研究所編集プロデューサー)、仲道郁代(ピアニスト)、柳沢秀行(公益財団法人大原美術館学芸課長)、吉本光宏(株式会社ニッセイ基礎研究所主席研究員・芸術文化プロジェクト室長)
*五十音順
●平成24年度地域創造大賞表彰式
[日時]2013年1月18日(金) 14:00~
[会場]グランドアーク半蔵門
札幌芸術の森│札幌市
“総合アートセンター”により市民の文化力を向上
広大な森に、野外美術館、札幌芸術の森美術館、各種クラフト体験工房、アートホール、野外ステージ、アトリエなどが点在した、鑑賞・発表・体験・滞在制作の機能を備えた日本屈指の総合アートセンター。市民に親しまれる工房運営、子どものための育成事業、街中と連携したサッポロ・シティ・ジャズなど、長年にわたる活動により市民の文化力の向上に貢献した。
運営:財団法人札幌市芸術文化財団
開館:1986年
ひたちなか市文化会館 │茨城県ひたちなか市
“芸術鑑賞事業”により子どもたちの育成に尽力
保育所・幼稚園・小学校・中学校の全学年を対象にした芸術鑑賞事業を実施。昭和60年度から平成23年度までの27年間で、計508公演、38万3千人が鑑賞。また、音楽のアウトリーチ事業にも力を入れるなど、地道で継続的な取り組みにより、子どもたちの育成に尽力した。
運営:財団法人ひたちなか市生活・文化・スポーツ公社
開館:1984年
飯田文化会館 │長野県飯田市
人形劇フェスティバルにより“地域ブランド”を確立
人形劇人・市民・行政が三位一体となり、1979年から人形劇フェスティバルを開催。プロ・アマチュア併せて約400団体が参加する国内最大規模の祭典を、事務局として全面的にサポート。また、人形劇定期公演や学校への出前公演を実施するなど、飯田市が推進する人形劇のまちづくりの拠点として、地域ブランドの確立に貢献した。
運営:飯田市
開館:1972年
島根県芸術文化センター グラントワ │島根県
“地域文化の育成”により圏域の文化力を向上
島根県立いわみ芸術劇場と島根県立石見美術館の複合施設。島根邦楽集団、グラントワ合唱団、グラントワ弦楽合奏団、グラントワ・ユース・コールのフランチャイズ楽団を育成。また、毎週日曜日の石見夜神楽定期公演、年4回の益田糸操り人形定期公演を企画するなど地元の民俗芸能をホール事業として積極的に発信し、圏域の文化力の向上に貢献した。
運営:公益財団法人しまね文化振興財団/島根県
開館:2005年
真庭市久世エスパスセンター │岡山県真庭市
“まちの文化広場”として地域に活力
旧久世町の「文化のまちづくり宣言」によって誕生したシンボル施設。少年少女合唱団、混声合唱団、管弦楽団、和太鼓クラブのフランチャイズ団体を育成。開館15年で500回に上る多彩な鑑賞事業、プロと市民が競演するエスパス第九演奏会など、稼働率90%を誇る活発な活動により活力ある地域づくりに貢献した。
運営:公益財団法人真庭エスパス文化振興財団
開館:1997年
とぎつカナリーホール │長崎県時津町
“まちの文化広場”として地域に潤い
文化の森公園内にあるホール・練習室・児童館・民俗資料館の複合施設。小学校・中学校の全学年を対象にした芸術鑑賞事業「カナリー・ステージ・ナイン」、大学や文化団体と連携した「カナリー音の博物館」など、子どもを対象にした無料プログラムを充実。町民の文化活動支援と子どもたちの育成事業により、潤いある地域づくりに貢献した。
運営:時津町教育振興公社
開館:2002年
三股町立文化会館 │宮崎県三股町
“町民参加型演劇”により地域に活力
地元の劇団こふく劇場と連携し、戯曲講座、小・中・高校生を対象にした演劇ワークショップ、小学校への巡回公演、駅舎や遊休施設を活用したまちなか演劇フェスティバル等を実施。2011年には開館10周年記念として町民による「おはよう、わが町」をプロデュースするなど、町民参加型演劇により活力ある地域づくりに貢献した。
運営:三股町
開館:2001年