一般社団法人 地域創造

特集「2012年夏のフェスティバル」

 東日本大震災から2度目の夏を迎えます。被災地を含めて各地で夏のフェスティバルが計画されています。
  2006年に「創造都市さっぽろ(Sapporo Ideas City)」宣言を行った札幌市では、観光と一体となった催しが色々と企画されています。官民施設を夜間開放して楽しむ「CULTURE NIGHT」(7月13日)は今年で10周年を迎え、参加施設は110カ所に増加。また、7月7日には夏の風物詩になっている「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」(~8月4日)と、大通公園の特設テントなど市内各所で行われる「サッポロ・シティ・ジャズ」(~8月23日)が同時に開幕。CULTURE NIGHTの翌日から全国公募によるミュージシャン約1,000人が2日間にわたって無料演奏するパークジャズライブも行われ、また昨年から地下鉄の地下通路を常設展示スペースにした「札幌大通地下ギャラリー・500m美術館」では若手作家の展覧会が開催されているなど、街ぐるみの夏の文化祭で賑わいます。
  美術分野では、近年、日本各地でブームとなっているアートによる地域再生のプロジェクトが多数行われます。特に新潟県では、先進事例として大きな影響を与えた「大地の芸術祭~越後妻有アートトリエンナーレ」(7月29日~)と2009年に新潟市の政令指定都市記念事業として始まった「水と土の芸術祭」(7月14日~)の2大プロジェクトが同時期に展開されます。豪雪と震災により4施設・75作品が被害を受けた越後妻有では、倒壊したレジデンス施設の「オーストラリア・ハウス」が再建されるなど芸術祭に向けた復旧が行われました。話題は、十日町市に2003年にオープンした交流施設のキナーレが世界的アーティストの作品を常設展示する「越後妻有里山現代美術館」として再出発することです。オープニングの特別展では、クリスチャン・ボルタンスキーが被災地を巡った思いを込めて巨大インスタレーション「No Man’s Land」(山のように積み重ねられた古着をクレーンが掴んでは落とす)を発表します。
  このほか、福島空港を会場にした「福島現代美術ビエンナーレ」、近江八幡の町家や工場を会場にした「BIWAKOビエンナーレ」(~9月15日)、鹿児島県の離島・甑島を舞台にした「KOSHIKI ART EXHIBITON」(8月18日~)、木崎湖畔で滞在制作する「原始感覚芸術祭」(8月4日~)など目白押しです。
  また、市民の主体的な参加によるアート・プロジェクトを支援する「アサヒ・アート・フェスティバル」は11年目を迎え、さらに規模を拡大。被災地での取り組みを含め、全国で51プロジェクトが行われる予定となっており、注目されます。

 

カテゴリー