地域創造では市町村アカデミーとの共催により、毎年全国の市町村長等を対象に、文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただくための「市町村長特別セミナー」を実施しています。
今年度は、4月23日に千葉市の市町村アカデミーで世田谷パブリックシアターを運営するせたがや文化財団副理事長の永井多惠子さんによる講演が行われました。また、財団の事業紹介の一環として行われているおんかつ支援登録アーティストによるミニコンサートでは、ピアニストの高橋多佳子さんが登場。ドビュッシー、ショパン、リスト、ガーシュインの曲を華麗な演奏で披露し、喝采を浴びていました。
永井さんはNHKで30年以上にわたってアナウンサーとして活躍。解説委員として文化をテーマに、また公共劇場の運営にも携わってきた経験を基に、地域住民に文化を届ける重要性と俳優と演劇の魅力について具体的な例を引きながら話されました。
「評価が定着していない現代のアートに税金を使って良いのかということについては、長い間議論がありました。しかし、大平政権時代に出された『文化の時代報告書』において、文化は本来国が口を出すべきものではないが、放っておいて良いというものではなく、財政支援はすべきであるとされた経緯があります」と解説。また、人生や社会を学び、都市生活者の孤独感を共有し、他人の人生をあたかも自分が経験したかのように味わうことによってとげとげしい人間関係を解かす演劇の魅力について、情熱を込めたお話が続きました。