一般社団法人 地域創造

平成24年度「公立美術館活性化事業」開幕

 今年度、公立美術館活性化事業では3件の共同巡回展が実施され、全国10会場で展覧会が開催されます。

 市町村立美術館を対象に地域創造が企画を提示した巡回展を行う「市町村立美術館活性化事業」では、本事業初の写真展「高知県立美術館所蔵 写真家 石元泰博─時代を超える静かなまなざし─」展を開催します。本展は、今年2月に亡くなった石元泰博の没後初の回顧展として、高知県立美術館のコレクションから、「シカゴ」「東京」「こども」「桂離宮」「伊勢神宮」などを撮影した代表作を厳選し、従来の撮影時期やシリーズごとの紹介とは異なる新たな展示構成で紹介します。また、地域交流プログラムについても、展覧会鑑賞後に石元の視点を想定しながら地域の風景を撮影するワークショップなど、さまざまな企画が準備されています。

 公立美術館が自主的に企画した巡回展を地域創造が支援する「公立美術館巡回展支援事業」では、「マックス・エルンスト─フィギュア×スケープ」展と「明治・大正時代の日本陶磁─産業と工芸美術─」展の巡回が始まっています。

 マックス・エルンスト展は、20世紀の欧米での前衛美術運動であるシュルレアリスムを代表する美術家、マックス・エルンストの作品をフィギュア(像)とスケープ(風景)という新たな視点で読み解くことで、これまであまり注目されていない作品相互の繋がりや、それぞれの作品に隠されたエルンスト独自のモチーフを明らかにしていきます。今回の企画では、国内の美術館のみならず、参加各館が手分けして海外まで出品交渉に赴き、主要作品約200点の出品を実現しました。

 明治・大正時代の日本陶磁展は、地域産業から工芸美術へと展開する日本の近代陶磁の変遷を、新たな研究成果を踏まえ、日本陶芸史上重要な明治時代から大正時代にかけて制作された130点により紹介する展覧会です。明治政府が推し進めた殖産興業・輸出振興政策により海外へ輸出され、近年日本へ里帰りした作品を中心に、日本各地の陶磁器を一堂に展示します。

 

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石元泰博《シカゴ,ハロウィン》(1948~52年) ©高知県

●平成24年度公立美術館活性化事業

【市町村立美術館活性化事業】

◎「高知県立美術館所蔵 写真家 石元泰博─時代を超える静かなまなざし─」
・今治市河野美術館(愛媛県今治市/2012年8月4日~30日)
・文化フォーラム春日井(愛知県春日井市/9月8日~10月11日)
・佐世保市博物館島瀬美術センター(長崎県佐世保市/10月20日~11月25日)

【公立美術館巡回展支援事業】

◎「マックス・エルンスト─フィギュア×スケープ」
・横浜美術館(横浜市/2012年4月7日~6月24日)
・愛知県美術館(名古屋市/7月13日~9月9日)
・宇都宮美術館(栃木県宇都宮市/10月28日~12月16日)

◎「明治・大正時代の日本陶磁─産業と工芸美術─」
・はつかいち美術ギャラリー(広島県廿日市市/2012年5月19日~7月1日)
・滋賀県陶芸の森陶芸館(滋賀県甲賀市/7月14日~8月26日)
・瀬戸市美術館(愛知県瀬戸市/9月1日~10月14日)
・茨城県陶芸美術館(茨城県笠間市/10月20日~12月9日)

 

●公立美術館活性化事業に関する問い合わせ
総務部 布施・藏滿
Tel. 03-5573-4143

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