コンテンポラリーダンスのアーティストが市町村に1週間程度滞在し、ホールと共同で企画する地域交流プログラム(アウトリーチとワークショップ)と公演を実施する「ダン活」。今年度は全国10カ所で実施され、そのトップバッターとして7月12日~18日の間、遠田誠さんを迎え富山県高岡市の高岡市民会館で行われました。遠田さんは、さまざまな状況の“ハザマ”に立ち、表現行為の越境を試みる“部活”「まことクラヴ」部長として注目を集めているアーティストです。
今年度から新しい取り組みとして、ホールやアウトリーチ先等の関係者を対象としたワークショップを個別研修(下見)時に実施しています。これは、事前にダンスのワークショップを体験してもらうことでダンスの楽しさや事業への理解をより深めてもらうことが狙いです。今回は、小学校の先生をはじめとした約30人の参加があり、ホールとアウトリーチ先との関係性が広がるなど、新たな可能性が期待されます。
下関小学校で行われたアウトリーチでは、遠田さんの挨拶中に突然現れたアシスタントの森下真樹さんとのダンスが始まり、子どもたちは突然のことに戸惑って緊張していましたが、目の前で繰り広げられるダンスに一気に引き込まれて、すぐに笑顔で一杯になりました。そのほか、動きに番号をつけ、音楽に合わせてランダムに飛び出す番号の動きで踊るなど、初めての体験に時間の過ぎるのを忘れるほど熱中していました。
最終日に行われた公演は、森下さんとのデュオ作品『独楽犬イルツキー』に地元の高校教師ダンサーとその教師が顧問を務める高校のダンス同好会メンバー、そして女声合唱団が共演するという盛り沢山な内容となり、ホールスタッフや共演者がつくり上げた作品に満席の観客が加わり、まさに「高岡にしかない」ダン活となりました。
●公共ホール現代ダンス活性化事業
◎平成23・24年度登録アーティスト
新井英夫、岩淵多喜子、遠田誠、鈴木ユキオ、田村一行、山田せつ子、坂本公成+森裕子、ほうほう堂
*詳細は当財団ウェブサイト参照
https://www.jafra.or.jp/system/artists/index?genre=202®isted_year=2019
◎平成23年度開催地(主会場/日程/派遣アーティスト)
・富山県高岡市(高岡市民会館/7月12日~18日/遠田誠)
・東京都港区(台場区民センター/10月11日~16日/ほうほう堂)
・三重県多気町(多気町民文化会館/10月31日~11月6日/新井英夫)
・大阪府阪南市(阪南市立文化センターサラダホール/11月14日~20日/岩淵多喜子)
・栃木県栃木市(栃木市栃木文化会館/2012年1月16日~22日/ほうほう堂)
・北海道北広島市(北広島市芸術文化ホール 花ホール/1月24日~30日/坂本公成+森裕子)
・大阪府高石市(たかいし市民文化会館 アプラホール/2月13日~19日/山田せつ子)
・千葉県四街道市(四街道市文化センター/2月14日~20日/鈴木ユキオ)
・京都府舞鶴市(舞鶴市総合文化会館/2月28日~3月5日/遠田誠)
・愛知県豊川市(豊川市御津文化会館 ハートフルホール/3月13日~19日/田村一行)
◎問い合わせ
芸術環境部 栗林・関本
Tel. 03-5573-4055・4077
dankatsu@jafra.or.jp