今年度、公立美術館活性化事業では2件の共同巡回展が実施され、全国7会場で展覧会が開催されます。
市町村立美術館を対象に地域創造が企画を提示して巡回展を行う「市町村立美術館活性化事業」では、「世田谷美術館コレクションによる アンリ・ルソーと素朴な画家たち いきること えがくこと」展の巡回が始まりました。この巡回展は、世田谷美術館が1986年の開館時より築き上げてきた「芸術と素朴」をテーマとしたコレクションより、アンリ・ルソーを中心とした素朴派の原点とその多様な広がりを、絵画作品を中心とした52作品で紹介するもので、全国4館を巡回します。
今回は、関連事業として、「世田谷美術館からやってきました!鑑賞リーダーと一緒に遊んじゃおう!!」も実施されます。これは、世田谷美術館で素朴派コレクションも含めた同館の展示について、来館者への鑑賞サポートを行っているボランティアチーム「鑑賞リーダー」が、各開催館へ出向き、普段世田谷美術館で行っている鑑賞サポートをするもので、貸出協力館のボランティアが開催地域の方々と交流するのは、本事業で初めての試みです。また、世田谷美術館の鑑賞リーダーと開催館側のボランティアとの情報交換など交流の機会を設ける開催館もあり、この事業を通じて、世田谷美術館のもつ公立美術館と地域住民の連携のノウハウが、各開催館へ提供されることも期待されます。
公立美術館が自主的に企画立案し実施する巡回展を支援する「公立美術館巡回展支援事業」では、県立館1館と市立館2館による「抱きしめたい!─近代日本の木彫」展が開催されます。これまで展覧会として取り上げられることの少なかった日本の近代木彫に焦点を当て、明治以降の木による造形表現がどのように受け継がれてきたのかを検証し、その魅力をさぐるものです。高村光雲、山崎朝雲、米原雲海、平櫛田中、佐藤朝山などの日本の近代彫刻の黎明期の作家から、江口週、深井隆、舟越桂などの現代の作家まで約80点の展示により、伝統を超えて、近代における新しい彫刻表現として確立していった木彫というジャンルの全貌を紹介します。
平成23年度公立美術館活性化事業
市町村立美術館活性化事業
「世田谷美術館コレクションによる アンリ・ルソーと素朴な画家たち いきること えがくこと」展
・市立小樽美術館(2011年5月21日~7月10日)
・市川市芳澤ガーデンギャラリー(7月23日~9月19日)
・笠岡市立竹喬美術館(11月5日~2012年1月9日)
・文化フォーラム春日井(1月21日~3月18日)
公立美術館巡回展支援事業
「抱きしめたい! 近代日本の木彫」展
・高岡市美術館(2011年8月10日~9月19日)
・碧南市藤井達吉現代美術館(10月4日~11月13日)
・広島県立美術館(11月29日~2012年1月15日)
公立美術館活性化事業に関する問い合わせ
総務部 布施・小林
Tel. 03-5573-4143