東日本大震災で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。地域創造では財団ホームページで被災地域の公立ホールの状況や支援情報などを発信していますが、被災から立ち上がり、活動を再開するところも出てきています(レポート参照)。
被災地関係の夏の取り組みをいくつか紹介すると─。福島市の四季の里では、音楽家の大友良英や詩人の和合亮一など福島ゆかりの人々が立ち上げた「プロジェクトFUKUSHIMA!」による「8.15世界同時多発フェスティバル FUKUSHIMA!!」が計画されています(http://www.pj-fukushima.jp/815fes.html)。東日本大震災の翌日に発生した長野県北部地震で被災した越後妻有アートトリエンナーレの開催地(新潟県十日町市・津南町)でも復旧した拠点施設などで子どもと各ジャンルの専門家を繋ぐサマーキャンプ「越後妻有の林間学校」が開校されます。昨年10月からの改修工事中に被災した福島県喜多方市の喜多方プラザ文化センターは、震災対応で休館期間を延長していましたが、8月5日から街中を使ったアートフェスティバル「喜多方発21世紀シアター」を予定通り開催します。また、吊り天井が崩落し、復旧の目途が立っていないミューザ川崎シンフォニーホールは、首都圏を拠点とした9つのオーケストラが出演する恒例の「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI」を市内にあるホールを活用して分散開催することを決定しました。
1月11日に開館した直後に東日本大震災に見舞われ、オープニング事業の大半が中止(延期)となった神奈川芸術劇場ですが、夏の催しとして全館をステージにした「KAAT STREET DANCE FESTIVAL」を立ち上げます。海外招聘のヒップホップグループの公演や一般参加のコンペティションもあり、横浜の新しいお祭りとして定着することが期待されています。
このほか、温泉を生かしたアートによるまちづくりを推進している群馬県中之条町が2年に一度開催している「中之条ビエンナーレ」、20周年を迎えて井波彫刻発祥の地である瑞泉寺境内で初めて開催される「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ」、市民主体のアートフェスティバルを支援し10周年を迎えた「アサヒ・アート・フェスティバル」など、注目の取り組みが目白押しとなっています。
なお、被災地域での取り組みにつきましては、情報の発表が遅れている可能性もありますので、逐次ホームページなどで確認していただければと思います。