◎平成24年度事業説明会(4月18日/地域創造会議室)
参加いただいた26団体(37人)に対して、3つの公共ホールから当事業で実施するアウトリーチや演劇公演について、カンパニーと共にプレゼンテーションをしていただきました。今回からプレゼンテーションを充実し、実際に学校等で行うワークショップの実演も披露。参加者の皆さんにも体験していただき、「ワークショップを体験して演出家の人柄がよく分かりました」といった感想が聞かれました。なお、24年度実施事業および参加団体は、今年6月中に決定する予定です。
◎演劇セミナー(4月19日/同)
このセミナーは、演劇事業に関心のある公共ホール担当者を対象に行っているものです。今回はまず、演劇事業におけるアウトリーチの意味、目的について理解を深めていただくために、青山学院大学の苅宿俊文教授に、「演劇と教育現場」というテーマで、教育現場で芸術のワークショップが必要とされている状況についてお話しいただきました。「『芸術の力』とは、正しい答え(正解)ではなく、自分が納得した答え(納得解)に意味があることを伝えること」という言葉を、簡単なアクティビティを交えてお話しされるなど、大変有意義なゼミとなりました。
続いて、平成22年度に公共ホール演劇ネットワーク事業事業を実施した、公益財団法人豊田市文化振興財団の永坂正和さんに、事業に参加した経緯から、事業終了後のホール職員の意識の変化、またアウトリーチ先の先生の生の声などを、実際のアウトリーチの映像を交えながらお話しいただきました。終了後は、事業実施にあたり学校とのやりとりで工夫したことについてなど、具体的な質問が多く寄せられました。
最後に、あさひサンライズホール(北海道士別市)の漢幸雄さん、札幌市を拠点に活動している劇団イナダ組代表で劇作家・演出家のイナダさんから、地域の小中学校の教職員によるオリジナル舞台『センセイノチカラ』の事例をお話しいただきました。漢さんは、「この地域に住んでいて幸せだったなと思える機会を提供したい。公共劇場のやるべきは豊かなまちづくりです」と話され、演出したイナダさんからは、この仕事に取り組む際に「目標の到達点をホールと決めて、それがぶれないようにして取り組んだ」と、事業を実施する上で妥協しない姿勢の大切さをお話しいただきました。
今回のセミナーを参考にして、アウトリーチと公演を柱にした演劇事業の企画に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
●公共ホール演劇ネットワーク事業に関する問い合わせ
芸術環境部 佐藤
Tel. 03-5573-4076