複数の公共ホールの共同・連携により、1つのカンパニーが地域に滞在して、地域交流プログラム(学校等でのアウトリーチと公募によるワークショップをいい、以下、「アウトリーチ」という。)と、公演を行う「公共ホール演劇ネットワーク事業」。平成23年度は、劇団衛星の『コックピット』の公演と、同劇団代表蓮行さんによる演劇の手法を活用したアウトリーチを実施しながら全国5カ所を巡ります。
12月13日、14日に地域創造の会議室にて、表現者を含め参加ホール担当者全員が参加して、演劇のアウトリーチや上演作品に対する共通認識をもち、その内容を共同で制作する第一歩となる全体研修会を行いました。
1日目は、各地域で実施する演劇のアウトリーチと公演の方向性について考えるため、各参加ホールから地域やホールを取り巻く状況、この事業を実施する目的などを発表。引き続いて、蓮行さんと同劇団俳優の紙本明子さんによる学校等で行うプログラムをホール担当者が実際に体験し、その後、ホール担当者、表現者の全員で振り返りを行いました。
2日目は、1回目の体験終了後の意見を取り入れた形で2回目を実施しました。担当者の皆さんは、各地域で実施する演劇のアウトリーチについて、実施時間や対象者についてのより具体的なイメージを持つことができたのではないでしょうか。
プログラムを体験したホール担当者からは、「与えられたテーマから台詞づくり、稽古、発表とみんなでつくり上げていくことができた。自分たちが発表したものへの愛着が湧き、またやってみたいと思った」「限られた時間の中でつくり上げていく達成感があった」など、共同作業の面白さを感じたとの感想が聞かれました。
また、演出家である蓮行さんから上演作品について作品に込められた思いを直接聞くことで、各地域での公演内容や効果的な広報・宣伝活動の考えを深める時間となりました。
今後、今回の研修会などを踏まえ、参加ホールが連携して智恵を出し合いながら、来年度、各地域での目的、当事業の趣旨に沿った演劇のアウトリーチや公演が実施されることが期待されます。
●公共ホール演劇ネットワーク事業に関する問い合わせ
芸術環境部 古田・大垣
Tel. 03-5573-4076