一般社団法人 地域創造

22年度「リージョナルシアター事業」終了報告

 リージョナルシアター事業は、公共ホールの担当者とその地域で活動する演劇の表現者が5日間の研修期間中に演劇の手法による地域交流プログラムをつくる事業です。ホールの担当者とその地域で活動する演劇の表現者が一緒にプログラムを作成することで、その地域にしかない、その地域のレパートリーとなる、継続性の高いプログラムづくりを目指し、プロの演出家等のアドバイザーが助言を行いながら精度の高いものにしていきます。
  今年度は京都府立文化芸術会館と広島市南区民文化センターの2団体が参加。まず6月の企画準備会議で、それぞれが企画についてプレゼンテーションを実施。その際にアドバイザーと協議した内容を再検討し、10月25日~29日に行われたまつもと市民芸術館での研修会に臨みました。
  前半の2日間は、ワークショップとセミナー。2年前に当事業に参加したまつもと市民芸術館のレジデントカンパニーのメンバーが講師となり、2年前にこの事業でつくったプログラムを実施しました。翌日は、人形劇俳優の平常さんによる新聞紙や段ボールを使った学校向けワークショップと美術館・博物館の教育普及事業の専門家であるイデア代表の大月ヒロ子さんによる写真を使ってグループで物語をつくるワークショップが実施されました。それぞれの立場で、しっかりとしたコンセプトとオリジナリティのあるプログラムは、いかに受け手に説得力を与えるか参加者の皆さんに十分伝わるものでした。
  3つのワークショップの後に行われたセミナーでは、青山学院大学の苅宿俊文教授が「なぜ、今教育現場で芸術のワークショップが必要とされているのか」というテーマで講演。「学校とパートナーシップを組むことで『分かち合う教育』が実現する」「ワークショップには手法となる『中身』とともに、しっかりとした『仕組み』が必要である」というお話は、演劇の手法に集中しがちな表現者には、とても価値ある時間となりました。
  3日目と4日目は企画づくりが行われ、5日目に企画を発表しました。アドバイザーの指摘を受け、何度もプログラムの入り口をつくり直す参加者たちは、迷走しながらも強固な入口を見つけることができたチーム、方向性を大きく変更することになったチームとさまざまでしたが、この事業は決して地域交流プログラムを教える“学校”ではないので、参加者の提案したことだけにアドバイザーが答えていきます。そのアドバイスを咀嚼し、活かすことができるかが大事となってきます。
  演劇の可能性と危険性をしっかり見極めたプログラムづくりをすることの大切さを再認識する研修となり、年度内にアドバイザーを現地に派遣する際に、2つのプログラムがどのように成長しているか楽しみとなりました。

●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 古田・齋藤・大垣
Tel. 03-5573-4076

Photo01.jpg
最終日に行われた企画発表(まつもと市民芸術館)

カテゴリー