一般社団法人 地域創造

「市町村長セミナー」報告

仲道郁代さんのお話しとダブル・マリンバの迫力ある演奏を堪能~「市町村長セミナー」報告

 地域創造では市町村アカデミーとの共催により、毎年、全国の市町村長等を対象に文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただくための「市町村長セミナー」を実施しています。今年度は、4月12日に千葉市の市町村アカデミーでクラシック音楽の普及に尽力されているピアニストの仲道郁代さんによる講演が行われました。また、財団の事業紹介の一環として毎年行われているおんかつ支援登録アーティストによるミニコンサートでは、マリンバの浜まゆみさんと大熊理津子さんが登場。想像をはるかに超えた迫力と多彩な音色で喝采を浴びていました。
  仲道さんは、日頃の演奏活動を通して感じているという公立ホールの運営や人間の内面に働きかける音楽の力について、リサイタルでもファンを魅了している温かな語り口で話されました。
  「私は、あることを見るとその会館がどのような状態にあるか何となくわかってしまいます。それはピアノのコンディションです。ピアノは消耗品で、例えば布のフェルトのついたハンマーで弦を叩いて音を出すので、フェルトはどんどん傷んできます。チャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第一番』を弾くと、2万3,000回も鍵盤を叩くそうです。かといって車のF1のような性能をもつピアノをただ保存していても能力を発揮できる状態になっているわけではない。ですから、ピアノの状態を見るとその会館の姿勢がわかるのです」。ピアニストならではの体験談を交えたお話しに、皆さん納得の表情でした。
  「黙って心を寄せてクラシック音楽を聴くことで、自分の内面への旅路に入っていくことができます。そうすることで、現実の中では見失っているけど、魂が知っている本当の心の奥底にある大切な何かに気づくことができます。それに気づくことが生きる力に繋がり、生きる力をもった人が集う場所に活力が溢れるのではないかと思います」という締めくくりの言葉に、心を洗われたような1時間となりました。

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