一般社団法人 地域創造

「東京芸術見本市2010」報告

 全国の公共ホール・劇場関係者と国内外の舞台芸術関係者との出会い・交流の場である「東京芸術見本市」が3月1日から4日まで東京芸術劇場などを会場に開催されました。14回目を迎える今回は、ヴィジュアル・プレゼンテーション、ブース・プレゼンテーション、セミナーなどに加え、参加者同士が1対1で10分間のミーティングをもてる「スピード・ネットワーキング」やリハーサルルームを活用した「スタジオ・ショーイング/ワークショップ」が新たなプログラムとして加わり、より国際色豊かな内容となりました。また、東京近郊の本公演などを紹介する「TPAMショーケース」も見本市会期に合わせて公演を企画するカンパニーが増え、充実したものになりました。
  3日には、地域創造主催セミナー「広がるアウトリーチの可能性~文化・芸術と教育・福祉分野の連携について~」を開催しました。地域創造では平成20、21年度の2カ年にわたり、アウトリーチの課題や将来展望を見据えた調査研究事業を実施しています。今回のセミナーは、取りまとめ段階にきているこの調査研究事業のエッセンスを紹介するものとなりました。
  吉本光宏さんの進行で、まずパネリストの近藤良平さん(ダンサー・振付家、コンドルズ主宰)と桜井里二さん(社会福祉法人秀峰会理事長)から、映像による活動の紹介がありました。近藤さんは埼玉県の企画した障がい者と一緒にダンス公演をつくる事例を、桜井さんは苑長を務める特別養護老人ホームさくら苑の取り組みとして、作曲家の野村誠さんが10年以上にわたって行ってきたプログラムを紹介されました。
  青山学院大学の苅宿俊文教授からは、学校教育の視点からアウトリーチを行うことの意味についてお話があり、「アウトリーチは感動を分かちあう場づくりである」とコメント。また、地域創造プロデューサーの津村卓からは公共ホールにおける自主事業やアウトリーチの実施状況、教育や福祉との連携状況について紹介がありました。
  その後、これからのアウトリーチの可能性について議論されました。芸術は「何が起こるかわからない」という偶発性を誘発する力があることや、公立文化施設の職員だけでなく、教育や福祉の関係者と一緒に情報を共有していくことが大切だといった意見が出されました。

 

●平成22年度地域創造レター個人宛送付申し込みのご案内
地域創造レターは、全国の公共文化施設、自治体宛に無料でお送りしております。また、地域創造レター2010年5月号(4月25日発行)~2011年4月号(3月25日発行)の個人宛送付をご希望の方には、送料のみご負担いただき郵送いたします。90円切手を12枚同封し、①お名前②ご所属・役職③郵送先④ご連絡先(電話・FAX・メール)を明記の上、以下の宛先までお申し込みください。
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