一般社団法人 地域創造

平成21年度「地域創造大賞」表彰式

平成21年度地域創造大賞(総務大臣賞)表彰式

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写真:平成21年度地域創造大賞表彰式
左:金澤和夫総務省大臣官房審議官から表彰を受ける大豆生田実足利市長
右:出席者記念撮影

 「JAFRAアワード」は、平成16(2004)年度に財団法人地域創造設立10周年を記念して創設された総務大臣賞です。この賞は、地域における文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰し、公立文化施設のさらなる活性化を図り、美しく心豊かなふるさとづくりの推進に寄与することを目的としています。これまでに42館が表彰され、その活動は広く全国に紹介されています。
  今年度から地域のさらなる発展を願って、名称を「地域創造大賞」と改め、審査委員会において厳正な審査を行った結果、全国から右頁の8施設が選ばれ、1月19日、東京・グランドアーク半蔵門において表彰式が行われました。
  はじめに主催者の財団法人地域創造理事長の林省吾より、「私どもの財団は、文化・芸術を通じて元気な地域づくりをしている地方公共団体を応援することを本分としています。地域社会が抱えている深刻な問題に対して、文化・芸術は総合的な処方箋となり、多大な行政効果をもたらしてくれるものと確信しています。これからも皆様のさらなるご活動を期待しています」との挨拶がありました。
  映像による受賞施設紹介の後、表彰状および記念の盾の授与が行われ、原口一博総務大臣からは、「少子高齢化・人口減少社会が到来する中にあって、地方においては、地域主権の確立、低炭素社会への転換等の改革の推進が強く求められています。そのため総務省では、地域の豊かな自然環境、地域において生産される食料、エネルギー、あるいは歴史文化資産等の地域資源を最大限活用し、地域の活性化、絆の再生を図ることにより、『地域から人材、資金が流出する中央集権型の社会構造』を『地域の自給力と創富力(富を創り出す力)を高める地域主権型社会』へと転換する『緑の分権改革』を推進しています。今後とも全国の公立文化施設のモデルとして、それぞれの地域の暮らしをより心豊かなものにしていただけるよう期待しています」との祝辞(金澤和夫総務省大臣官房審議官代読)をいただきました。
  次に受賞施設を代表して、岩手県西和賀町の細井洋行町長が銀河ホールの歩みを振り返りながら、「合併前、人口約5,000人の湯田町が演劇専用ホールを建設するには紆余曲折がありましたが、ぶどう座という地域劇団とともに一人でも多くの町民に舞台に立ってもらいたいと高齢者演劇などに取り組んでまいりました。こうした活動を高く評価していただけたことを町民ともども大変喜んでおります」と、感謝の言葉を述べられました。
  最後に、審査委員を代表し、扇田昭彦氏より「ユニークな施設が多く選考するのが大変困難でした。限られた予算の中で尽力されている市町村施設を特に評価しようと審査を行いましたが、特徴的な取り組みをしている県・政令市の施設の応募が多く、今回の結果となりました。今後もぜひさまざまな施設の方々にご応募いただき、この賞を支えていただければと思います」という総評をいただきました。
 

  今回の賞は、受賞された施設のみならず、それらの施設を支え、文化・芸術による地域づくりに参加していただきました地域の皆様のご協力に対する感謝を込めて贈られるものです。心よりお祝い申し上げますとともに、今後のさらなるご活躍を期待しております。


●地域創造大賞 受賞施設

西和賀町文化創造館 銀河ホール│岩手県西和賀町

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“高齢者演劇”により町民の福祉を向上
高齢者の社会参加と生きがいづくりを目的とした高齢者演劇や、地域間交流を目的とした地域演劇祭など、特色ある事業を展開。人口約7,000人というきわめて小規模な町の演劇専用ホールとして、演劇を通じた町民福祉の向上に貢献した。
[開館年]1993年
[設置者]岩手県西和賀町
[運営者]岩手県西和賀町

小美玉市四季文化館(みの~れ) │茨城県小美玉市

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“市民参画型運営”でまちづくりの人材を育成
徹底した市民参画によるホール運営を推進。約200名の市民実行委員会が毎年、各種事業計画に携わり、市民劇団・楽団を含むボランティア組織の「みの~れ支援隊」約160名がホールを支えるなど、ホール事業を通じたまちづくりの新たな人材育成のあり方を提示した。
[開館年]2002年
[設置者]茨城県小美玉市
[運営者]茨城県小美玉市

足利市民会館 │栃木県足利市

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“質の高い鑑賞事業”により生涯学習を推進
1966年に開館して以来、小学生、中学生等を市民会館に招いた質の高い芸術鑑賞教室を開くなど、40年以上にわたり鑑賞者の育成に尽力。2007年からは現代版「足利学校」の創設プロジェクトを発足し、市民ミュージカルやユースオーケストラへの取り組み、さらには伝統芸能の継承・普及など、市民の生涯学習に長年にわたって貢献した。
[開館年]1966年
[設置者]栃木県足利市
[運営者](財)足利市みどりと文化・スポーツ財団

彩の国さいたま芸術劇場 │埼玉県

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“アーティストとの交流”により文化力を向上
芸術監督を擁する首都近郊の大型複合文化施設として、開館以来、クラシック音楽・コンテンポラリーダンス・現代演劇の国際的なプロダクションを精力的に展開。また、蜷川幸雄が立ち上げた二つの演劇集団、55歳以上のメンバーからなる「さいたまゴールド・シアター」および若手俳優による「さいたまネクスト・シアター」への支援に取り組み、公立劇場の新たな道と演劇の可能性を拓いた。
[開館年]1994年
[設置者]埼玉県
[運営者](財)埼玉県芸術文化振興財団

石川県立音楽堂 │石川県

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“地域オーケストラ”によるホール運営に新境地
公立ホールと地域オーケストラの一体運営を実現。オーケストラ・アンサンブル金沢のノウハウを活かし、邦楽・ポピュラー等とのコラボレーション、地域間連携と市民協力によるオペラ、アウトリーチなどを定期的に実施し、地域オーケストラによるホール運営と地域活性化への新たな道を拓いた。
[開館年]2001年
[設置者]石川県
[運営者](財)石川県音楽文化振興事業団

静岡音楽館AOI │静岡市

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“芸術監督制”により音楽文化の発展と普及に尽力
高い理念を掲げ、芸術監督と専門家の企画会議委員などによりクラシック音楽を中心とした事業を推進。1995年に開館して以来、若い音楽家を積極的に登用し、現代音楽の新作委嘱を続けるとともに、特色ある「子どものための音楽ひろば」を運営するなど、音楽文化の発展と普及の両立に尽力した。
[開館年]1995年
[設置者]静岡市
[運営者](財)静岡市文化振興財団

 

福岡アジア美術館 │福岡市

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アジアと地域を結ぶ“交流型美術館”の旗手
アジアの近現代美術作品を系統的に収集・展示する専門館として、日本におけるアジア美術の評価を高めた旗手。「福岡アジア美術トリエンナーレ」やアジアの美術作家・研究者の招聘事業を通じて、アジアと地域を結ぶ多文化交流を実現した。
[開館年]1999年
[設置者]福岡市
[運営者]福岡市

熊本県立劇場 │熊本県

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“ネットワーク型運営”により県域の文化力を向上
県立劇場としてのノウハウを活かし、市町村ホールに対するソフト事業の提供、職員の研修受け入れ、舞台制作スタッフの育成、市町村との共催によるアウトリーチ事業などに尽力。リーダー館として県域の文化力向上に貢献した。
[開館年]1982年
[設置者]熊本県
[運営者](財)熊本県立劇場

●地域創造大賞審査委員会
◎委員長
扇田昭彦(演劇評論家)
◎委員長代理
田村孝子(静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ館長)
◎委員
・ 加藤恒夫(社団法人企業メセナ協議会専務理事)
・熊倉純子(東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科 准教授)
・ 小林真理(東京大学大学院人文社会系研究科 准教授)
・ 坪池栄子(株式会社文化科学研究所研究プロデューサー)
・仲道郁代(ピアニスト)
・ 林省吾(財団法人地域創造 理事長)
・ 柳沢秀行(財団法人大原美術館 学芸課長)
・ 吉本光宏(株式会社ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室長)
*五十音順

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