地域創造ではステージラボ修了者を対象に、より専門的・実践的な研修機会を提供する「ステージラボ・マスターコース」を実施しています。今年度は全国から5人が参加、当財団プロデューサーの津村卓をアドバイザーに「地域文化によって地域をコーディネートするには」をテーマとして約半年にわたって実施しています。12月4日には、北海道富良野市で富良野メセナ協会代表の篠田信子さんを講師に迎え、「調査・企画会議」と題した現地研修を実施しました。
講義では、篠田さんが理事を務めた「ふらの演劇工房」がNPO第1号として「50年後の子どもたちが誇れる演劇のまちづくり」を目指し、富良野演劇工場を運営してきた経緯を紹介。市の教育委員会や商工会に加えて、近隣地域の行政や文化施設に積極的に働きかけ実現した、強固なネットワークづくりと地域に根ざした活動についてお話しいただきました。こうした篠田さんの取り組みを受け、明確なミッションに基づき、地域と行政、アートの橋渡しをする地域文化コーディネーターの役割について議論しました。
講義以外にも、観客とアーティスト双方へのホスピタリティが充実した富良野演劇工場を篠田さんの解説で見学したほか、地域のメセナ活動を牽引してきた施設なども訪れました。
まとめのディスカッションでは、参加者が各地の課題に照らし合わせた地域文化のコーディネート方法やその資質、行政とのパートナーシップのあり方について議論し、今後どのようなビジョンでテーマをまとめていくかの検討を行いました。
参加者は今回の研修をもとに地域文化コーディネーターの必要性や資質、各地の課題を洗い出し、1月末に行われる後期研修で研修成果を発表します。発表の内容は報告書として取りまとめる予定ですので、関心のある方は担当までお問い合わせください。
●ステージラボ・マスターコースに関する問い合わせ
芸術環境部 水口
Tel. 03-5573-4185