平成22年度に公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)を実施予定の10団体の担当者に向けた全体研修会を、11月4日と5日の2日間、東京芸術劇場で開催しました。この研修会は、ダン活コーディネーターを講師に迎えて、それぞれの地域で事業を実施する前年度に2回開催するもので、今回は第1回が行われました。
今回のカリキュラムは、平成19・20年度の登録アーティストで、Dance Theatre LUDENSを主宰する岩淵多喜子さんを迎え、まずはホールの担当者自身がコンテンポラリーダンスの魅力を体験することからスタート。ワークショップでは、体を使ったゲームからペアで2分間のダンスを創作するところまで体験した後、男女2人のもどかしい関係性を描いた『Be』や重力をテーマにしたトリオのダンス『Against Newton』、ワークショップ生の発表公演など4作品を映像で鑑賞し、その後、ワークショップや作品の感想を発表しました。ダンスの言語化に苦戦する参加者に対し、コーディネーターからは「“コンテンポラリーダンス”が何かを概念的に説明するのではなく、見たダンスがどのようなものだったか、ワークショップで何をしたのか、アーティストがどういう人かを素直に伝えるほうがリアリティがある」とアドバイスがありました。
後半では、「どうしてダンスのアウトリーチをするのか」「ワークショップの参加者が公演に出ることのメリット、デメリットは何か」と、企画のコンセプトに関わる問いを参加者同士でディスカッションしました。参加者からは「地域の中の世代や国籍をも超えた人々の交流をダンスで生み出したい」「上から目線でダンスを届けるのは趣旨が違うのではないか」と積極的に意見が出されました。最後には、テクニカルスタッフの配置の注意点や舞台の使い方、ダンスの事業で派生しうる予算項目、広報などについて、コーディネーターから講義があり、質疑応答で不安点を解消した後、1回目の研修会を終えました。
2回目の研修は年明けの1月6日(水)、7日(木)に開催し、登録アーティスト8組によるアーティストプレゼンテーションが行われます。一般の見学も受け付けますので、ご興味のある方は、下記までお問い合わせください。
◎公共ホール現代ダンス活性化事業 第2回全体研修会&公開プレゼンテーション開催概要
[日程]平成22年1月6日(水)15:20~、7日(木)10:00~
[会場]東京芸術劇場地下2F 大リハーサル室(東京都豊島区西池袋1-8-1)
[内容]各アーティスト30分程度のダンスのデモンストレーションやワークショップ体験など。
1月6日:楠原竜也、黒沢美香、セレノグラフィカ(隅地茉歩+阿比留修一)、東野祥子/1月7日:伊藤千枝、新井英夫、キリコラージュ(ストウミキコ+外山晴菜)、鈴木ユキオ
●公共ホール現代ダンス活性化事業
◎平成22年度実施内定団体
北海道名寄市、千葉県君津市、東京都調布市、愛知県豊田市、兵庫県西宮市、和歌山県上富田町、島根県出雲市、山口県山口市、大分県日田市、沖縄県名護市
◎問い合わせ
芸術環境部 玉木・大澤・加藤・坂間
Tel. 03-5573-4055