一般社団法人 地域創造

平成21年度「リージョナルシアター事業」報告

 7月1日~5日、まつもと市民芸術館にてリージョナルシアター事業が行われました。昨年度よりリニューアルされたこの事業は、ホールの担当者とその地域で活動する演劇の表現者が5日間の研修期間中、学校向けのプログラムやリーディング等を創作して公立施設で巡演するなど、演劇を使って地域に貢献する「地域交流プログラム」を共同で作成し、地元に戻って実施するというものです。プロの表現者や制作者がアドバイザーとなって企画に対して助言を行い、より充実したプログラムに発展させます。今年の参加団体は、長崎ブリックホールと熊本県立劇場の2団体です。まず、5月12日、東京で参加団体、アドバイザーが集まり、それぞれの企画をプレゼンテーションしました。そこで、アドバイスされた部分を持ち帰り、まつもとの研修期間中に修正し、掘り下げていきます。

 今年の研修は、前半の2日間に公共ホール音楽活性化事業のOBアーティストでもあるBLACK BOTTOM BRASS BANDと美術館・博物館の教育普及事業の専門家であるイデア代表の大月ヒロ子さんのワークショップを行いました。演劇の表現者が演劇以外のワークショップを受講することで、より幅の広い視野を自分たちの企画に落とし込むことが目的です。また、音楽、ダンス、演劇、美術のアウトリーチの現場で今、何が起こっているのかについてそれぞれの分野の講師からお話いただきました。学校で同じような枠組みのワークショップを実施しても、学校への事前説明や実施後の学校の反応の差に講師同士が驚くような違いもありました。それぞれの現場での共通点、課題、可能性を検証することで、アウトリーチ活動の目的を再認識することができました。

 3・4日目は、プログラムづくり、5日目は企画発表です。表現者の皆さんは誰に何を伝えるのか、その手法はどのように有効なのか、試行錯誤を重ねます。時には、企画内容自体が当初案からそれたりします。そこをホールの目指す方向にホール担当者が起動修正します。ホールの目的が明確でないとできない作業です。

 この事業は、アドバイザーがアウトリーチについて教える学校ではなく、個々の企画を練り上げるための場です。より強固なプログラムにするための助言をアドバイザーが行い、演劇という表現を使って自分たちに何ができるのかということを踏み込んで考える機会となります。参加者の皆さんは、その経験が、地域交流プログラムだけでなく、舞台上での表現活動にも大きく活かすことができると言います。この事業にご興味のあるホール担当者は、来年度の当事業にぜひご応募ください。事業の流れ、応募方法については下記をご参照ください。

 

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企画発表の様子

●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 加藤・坂田・大垣
Tel. 03-5573-4056

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