データの見方
●で表示してあるのはアーツセンターの所在地です。以下名称、住所、電話番号、公式サイトURLを記載しています。また、基礎データとして、設置者、運営者、ホール席数など施設概要を紹介しています。
●福島県いわき市
いわき芸術文化交流館アリオス
〒970-8026 いわき市平字三崎1-6 Tel. 0246-22-8111
http://iwaki-alios.jp
◎2009年5月2日グランドオープン
昨年4月の第一次オープン（大ホールや音楽小ホール、小劇場など。2008年10月号参照）に続き、新たに中劇場などの完成によりグランドオープンを迎えた。中劇場はプロセニアム、ポディウムなど4つの舞台形式に変動可能で、演劇やダンス、古典などさまざまな舞台に対応。ユニットの下に高圧の空気を送り込んで浮かせる移動式縦型客席ユニットと移動式額縁ユニットを日本で初めて導入し、少人数での舞台や客席の転換が可能となっている。オープニングの「グランドオープン・フェスティバル」では、山海塾によるこけら落とし公演をはじめ多彩なプログラムが開催された。
［施設概要］大ホール（最大1,840席）、中劇場（最大687席）、小劇場
●東京都世田谷区
成城ホール（砧区民会館）
〒157-0066 世田谷区成城6-2-1
Tel. 03-3482-1313
http://www.seijohall.jp
◎2009年6月1日オープン
区民の芸術文化活動の発表の場として親しまれてきた砧区民会館が、設置されている砧総合支所の耐震建て替えに伴って、「成城ホール」として新たにオープン。災害時には緊急援助物資集積所として活用することも想定されている平床式可動席の多目的ホールは、音響効果にも優れ、本格的なコンサートにも利用が可能。今後は貸館事業を中心に、市民向け講座をはじめ、演劇や音楽、お笑いなど幅広い分野の主催事業も行う予定。
［オープニング事業］地元の子どもたちによる踊りや演奏ほか
［施設概要］多目的ホール（最大397席）、集会室5、親子観覧室2ほか
［設置者］世田谷区
［管理・運営者］指定管理者：（株）アクティオ
［設計者］（株）相和技術研究所
●演劇人がまちづくりに参画、新たな劇場づくりに挑む～座･高円寺（杉並区立杉並芸術会館）
座・高円寺は、老朽化した高円寺会館の建て替えにより誕生した杉並区の複合劇場。演劇を中心とした舞台芸術の創造発信と、区内に40連あるという阿波おどりなど、地域に根ざした文化活動の拠点を目指して今年5月にオープンした。これまでスパイラルホール、Bunkamura、世田谷パブリックシアターなど官民の劇場づくりに関わってきた劇作家・演出家の佐藤信が芸術監督に就任し、その動向が注目されている。
日本を代表する劇作家たちが杉並区民だったことから、日本劇作家協会として要望を出したのがきっかけとなり、構想段階から佐藤が改築検討会のアドバイザーとして参画。まつもと市民芸術館などを手がけた伊東豊雄が設計を担当し、広場のような1階フロアと周辺の環境に配慮して地下に広がる構造をもつユニークな建物が誕生した。プロ仕様の自由な空間「座・高円寺1」、地下にあるアマチュアを含む区民の文化活動の場「座・高円寺2」と阿波おどりホールの3ホールをはじめ、衣裳や舞台美術の製作室など、コンパクトながら舞台制作に必要な機能を備えている。
運営にあたり、行政と専門家を繋ぐ役割として、佐藤が区の文化行政担当顧問を委嘱され、芸術監督に就任。加えて、日本劇作家協会およびNPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会と区がパートナーシップ協定を締結し、施設の優先使用や自主事業への協力などで連携を図った。指定管理者は、劇作家とホール・マネージメントの専門家などが新たに設立したNPO法人劇場創造ネットワークで、こうした運営体制にも注目が集まっている。
事業計画として、劇作家協会企画、劇団との提携企画、主催公演で各100日程度のホール使用を想定。春の「びっくり大道芸」、夏の「高円寺阿波おどり」、秋の「高円寺フェス」など、街中を舞台にした企画も積極的に展開する。佐藤は「これからの公共劇場のプロトタイプをつくりたい。街の一員として劇場に何ができるか考え、地域の劇場の責任として子どものプログラムに意識的に取り組んでいきたい」と話す。
このほか、企業協賛によりチケット料金を下げた4枚綴りの回数券「なみちけ」（12,000円）、公共劇場のための人材育成を目指した年間100コマの講義を行う「劇場創造アカデミー」なども実施する。
●座・高円寺（杉並区立杉並芸術会館）
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-1-2
Tel. 03-3223-7500
http://za-koenji.jp/
［オープン日］2009年5月1日
［オープニング事業］旅する絵本カーニバル＋びっくり大道芸、渡辺美佐子ひとり芝居『化粧 二幕』ほか
［施設概要］座・高円寺1（基本形状238席）、座・高円寺2（最大298席）、阿波おどりホール（160㎡）、リハーサル室3ほか
［設置者］杉並区
［運営者］指定管理者：NPO法人劇場創造ネットワーク
［設計者］伊東豊雄建築設計事務所
