11月10日~14日、まつもと市民芸術館にてリージョナルシアター事業が実施されました。今年度からリニューアルされたこの事業は、ホール担当者とその地域で活動する演劇の表現者が一緒に地域交流プログラムを作成し実施するというもので、3名のアドバイザーがより充実したプログラムにするための助言を行います。
この事業の狙いは、その地域で必要とされるプログラムをホールと表現者が共同で企画し実施することで、一過性で終わることなくレパートリープログラムとして展開していくことにあります。リニューアル1年目の今年は、富士見市民文化会館(キラリ☆ふじみ)、伊丹市立演劇ホール(アイホール)、まつもと市民芸術館の3団体が参加しました。
リージョナルシアター事業は、この松本の研修の前の8月上旬に、各団体がまずアドバイザーに向けて企画のプレゼンテーションを実施するところからスタート。意見や新たなアイデアをもらった企画は各自持ち帰り、その後再度協議し、練り直しを行いました。そして11月にまつもと市民芸術館で再度集い、1団体につきホール担当者1名と表現者5名が5日間一堂に会して、セミナーやワークショップを受講しながら、それぞれの企画を掘り下げました。
1、2日目はセミナーや、岩下徹(即興ダンス)、ブラックボトムブラスバンド(ブラスバンド)など演劇以外のワークショップが開催されました。アウトリーチに関して共通認識をもち、また演劇以外のアプローチの方法も知ってもらうことで個々の企画に反映させることが目的です。3日目は企画づくり、4日目は1団体ずつの中間発表、5日目は最終の企画をと発表を重ね、発表ごとに他の団体とアドバイザーからのフィードバックを行いました。5日間真摯に向き合った成果のプログラムは、地元に戻って完成させ、今後実施していきます。
参加した表現者は、自分たちに何ができるのかを考え、毎日の取り組みの中で、今後の活動の方向性がしっかり見えたとのこと。企画内容と表現者が迷走したときに方向性を示すのは、ホール担当者の役割です。自分の地域とホールのことを再認識した5日間だったのではないでしょうか。
この事業は、アウトリーチを教える学校ではありませんし、アドバイザーは先生でもありません。ホールと表現者が企画したプログラムを具体的にするための5日間です。このプログラムの軸がしっかりしていることが、この事業の核となります。来年度以降も実施いたしますので、ご興味のある方、チャレンジを希望されるホール担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。
●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 大垣・坂田・尾形
Tel. 03-5573-4124