平成20(2008)年度JAFRAアワード(総務大臣賞)が次のとおり決定いたしました。
◎国際芸術センター青森(ACAC)/青森県青森市
◎七ヶ浜国際村/宮城県七ヶ浜町
◎東京都写真美術館/東京都
◎武蔵野市民文化会館/東京都武蔵野市
◎黒部市国際文化センター コラーレ/富山県黒部市
◎松江市八雲林間劇場(しいの実シアター)/島根県松江市
◎山口情報芸術センター「YCAM」/山口県山口市
◎北九州芸術劇場/福岡県北九州市
◎名護市民会館/沖縄県名護市
「JAFRAアワード」は、平成16(2004)年度に財団法人地域創造設立10周年を記念して創設された総務大臣賞です。この賞は、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰するものです。受賞施設の活動を全国に広く紹介することにより、公立文化施設のさらなる活性化を図り、美しく心豊かなふるさとづくりの推進に寄与することを目的としています。
全国の地方公共団体から応募・推薦のあった施設を対象に、
● 地方公共団体等が、文化・芸術による地域振興やふるさとづくりという地域を豊かにするための行政の目的に沿った文化・芸術振興ビジョンや公立文化施設の理念、使命をもち、それを達成するための施設運営がなされているかどうか
● 先進性、テーマ性を有する自主企画作品の制作、公演や自主企画展覧会の開催等創造的な活動に取り組むとともに、内外の優れた作品の鑑賞機会の提供に意欲的に取り組んでいるか
● 地域住民の文化・芸術活動の育成支援、教育普及活動、住民参加・参画など地域住民との協働(コラボレーション)に意欲的に取り組んでいるか
などを基準として、専門家で構成する「JAFRAアワード審査委員会」において厳正に審査を行い、その結果を受けて決定いたしました。。
応募していただきました施設は、いずれもアイデアに溢れた魅力的な事業に取り組み、地域の人々に支えられている施設でありましたが、とりわけ今回受賞した9施設は、いずれも専門性を有しつつ、地域に根ざした事業や創意工夫を凝らした事業を継続的に実施していることが高く評価されました。なお選考に当たっては、事業の継続性に鑑み、施設の開館経過年数のほか、地域およびジャンル等のバランスも考慮いたしました。
今回の賞は、受賞された施設の設置者のみならず、それらの施設を支え、文化・芸術による地域づくりに参加していただいている地域の皆様のご活躍に対する評価を込めて贈られるものです。心よりお祝い申し上げますとともに、今後のさらなるご発展を期待しております。
●JAFRAアワード審査委員会
【委員長】扇田昭彦(演劇評論家、静岡文化芸術大学特任教授)
【委員長代理】田村孝子(静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ館長)
【委員】加藤恒夫(社団法人企業メセナ協議会専務理事)、熊倉純子(東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科准教授)、小林真理(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)、坪池栄子(株式会社文化科学研究所研究プロデューサー)、仲道郁代(ピアニスト)、林省吾(財団法人地域創造理事長)、柳沢秀行(財団法人大原美術館学芸課長)、吉本光宏(株式会社ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室長)
*五十音順
●平成20年度JAFRAアワード表彰式
[日時]2009年1月14日(水) 15:00~
[会場]グランドアーク半蔵門
国際芸術センター青森(ACAC) │青森県
“アーティスト・イン・レジデンス”の旗手
宿泊棟を有するユニークな芸術センターとして、国内外のアーティストが地域に滞在するアーティスト・イン・レジデンス事業を推進。展覧会、ワークショップ、セミナーなどを開催するとともに、青森におけるコンテンポラリー・アートの拠点としてネットワークづくりに尽力した。
七ヶ浜国際村 │宮城県
“アーティストとの交流”により文化力を向上
地域の交流拠点として国際交流イベントを実施するとともに、音楽家や演出家などのアーティストと長年にわたる交流を推進。子どもを中心としたミュージカルやパーカッションアンサンブルのグループを育成するほか、アーティストと共にさまざまな企画を実現し、感性豊かな地域づくりに貢献した。。
東京都写真美術館 │東京都
“民間発想を活かした運営”により新風
スタッフが共有できる年間目標の設定や多数の企業・団体に呼びかけた維持会員による外部資金の調達など、民間発想を活かした運営改革を推進。異なる企画展を同時開催する「ミュージアム・コンプレックス」により年間約25本の多彩な展覧会を開催するなど、賑わいのある美術館を実現した。
武蔵野市民文化会館 │東京都
“マーケティング力”で鑑賞事業を充実
クラシックの音楽会を中心に年間100本に及ぶ主催公演を実現。アンケート調査により会員が希望する音楽会を手頃なチケット価格で提供。独自招聘による海外アーティストや新進演奏家の紹介も行うなど、都市近郊の立地を活かした音楽会が身近に楽しめる環境づくりに尽力した。
黒部市国際文化センター コラーレ │富山県
“市民参画によるホール運営”の先駆け
「市民みずからの意志(企画)と手(ボランティア)による運営」を掲げ、準備段階から市民参画によるホールづくりを推進。実行委員会による「コラーレフェスティバル」「24時間ぶっとおしライブ」や子どもを対象とした「リトルカルチャークラブ」など、市民の文化活動の活性化に貢献した。
松江市八雲林間劇場(しいの実シアター) │島根県
演劇祭により“地域の国際化”を推進
劇団あしぶえと旧八雲村の協働により建設された公設民営劇場の草分け。諸外国からアマチュア劇団を招聘する「八雲国際演劇祭」を3年に1度開催し、小学生から大人まで多くの住民がボランティアとして支えるなど、演劇を通じた多文化理解により地域の国際化に貢献した。
山口情報芸術センター「YCAM」 │山口県
市民の“アート・リテラシー”を向上
日本では珍しいメディア・アートの拠点。コンピューター、映像などの専門スタッフを擁し、国内外のアーティストの滞在制作によるメディア・アートやパフォーマンスなどの作品を発表。教育普及にも力を入れ、先進的な表現に対する市民の文化リテラシーの向上に貢献した。
北九州芸術劇場 │福岡県
“総合的な演劇プログラム”を実現
「創る」「育つ」「観る」をコンセプトに演劇事業を展開。オリジナル作品のプロデュース、地域文化リーダーとなる若手演劇人の育成、小中学校での表現教育プログラム、多彩な鑑賞事業など、総合的なプログラムを展開し、地域に立脚した公立劇場のあり方を提示した。
名護市民会館 │沖縄県
“子どもたちの人材育成”に尽力
ジュニアオーケストラ、少年少女合唱団、児童劇団の育成を行うほか、「こども1万人の個展」や小中学校への積極的なアウトリーチなど、芸術文化による子どもたちの人材育成に尽力。沖縄本島北部の中核施設としてそのスキルとスタッフ力を幅広く活かし、地域づくりに貢献した。