●福島県いわき市
いわき芸術文化交流館「アリオス」
〒970-8026いわき市平字三崎1-6
Tel. 0246-22-8111
http://iwaki-alios.jp
◎2008年4月8日第1次オープン
いわき市立美術館、文化センター、平中央公園に隣接する複合文化施設がオープン。PFI方式を導入して建てた建物は、老朽化した市民会館を取り壊した跡地などに新築した部分と、改修した既存の音楽館から成り、演劇専用の中劇場完成を経て2009年5月にグランドオープンを迎える。愛称のアリオス(ALIOS)は、「Art(芸術)」「Life(生活)」「Information(情報)」「Oasis(憩いの場)」「Sightseeing(観光)」の頭文字を合わせたもの。舞台技術スタッフ、広報、音楽・演劇プロデューサーなど専門職員は市の嘱託職員として採用している。アウトリーチ事業をはじめ、部分的に開放したホールで開催した第九の合唱練習、ワークショップ、研修事業など多数のプレ事業を企画し、施設の広報・周知に務めてきた。また「アリオスペーパー」は、表紙写真やロゴマークのデザインを一流アーティストに依頼するなど、クオリティの高い広報紙となっている。
[オープニング事業]「コバケン“炎の第九”コンサート」「いわきでつくるシェイクスピア『間違いの喜劇』」などオープニング公演
[施設概要]大ホール(1,705席)、音楽小ホール(200席)、小劇場(233席)、リハーサル室2、スタジオ4、稽古場4、練習室4ほか
[設置・管理・運営者]いわき市
[設計者]佐藤尚巳建築研究所
●東京都調布市
せんがわ劇場
〒182-0002 調布市仙川町1-21-5
Tel. 03-3300-0611
http://www.sengawa-gekijo.jp/
◎2008年4月1日オープン
音楽や演劇専攻のある桐朋学園大学のお膝元である調布市仙川地区内の細長い敷地に、安藤忠雄建築特有のコンクリート打ち放しの劇場がオープン。122席のホールとリハーサル室1つというシンプルな舞台芸術拠点と、保育園、防災倉庫、地域活動拠点を併せもつ。演出家のペーター・ゲスナーを芸術監督に迎え、舞台芸術活動を「支援」する機能、市民が舞台芸術を「学ぶ」機能、施設の運営に市民が「参画」する機能を備え、街のブランド力と賑わい創出の地域文化発信基地を目指す。演劇、音楽を中心に、「子ども演劇」「サンデー・マティネ・コンサート」など自主事業を積極的に展開し、なかでも舞台芸術の自主制作公演「せんがわ劇場アンサンブル」は、演目ごとにオーディションで選出する俳優、通年で音響・照明・衣裳・小道具などのアンサンブルスタッフ、各イベントの宣伝や受付などの手伝いをするホールサポーターが参加するなど、次代を担う若手俳優やスタッフ、幅広い年代・所属の市民が集結する。
[オープニング事業]演劇公演『モバイル』『時の置物』
[施設概要]ホール(121席)、楽屋2、リハーサル室、ふれあいの家(集会室)
[設置・管理・運営者]調布市
[設計者]安藤忠雄建築研究所
●愛知県碧南市
碧南市藤井達吉現代美術館
〒447-0847 碧南市音羽町1-1
Tel. 0566-48-6602
http://www.city.hekinan.aichi.jp/tatsukichimuseum/
◎2008年4月5日オープン
碧南市大浜地区は神社仏閣や昔ながらの路地が残り、みりん、醤油などの醸造業が盛んな港町。2004年に国土交通省の「歩いて暮らせる街づくり」モデル事業に選定され、近代美術工芸先駆者の藤井達吉の出身地であることから美術館の建設が策定された。旧碧南商工会議所を改修・増築した建物は、町並みに合う黒の外壁が特徴。藤井は、明治から大正にかけて、独学でありながら七宝・陶芸・染色・日本画などで幅広く活躍し、生活との結び付きのある創作性の強い作品で新たな工芸の道を示した。晩年は後進の指導に当たり、愛知県瀬戸の陶芸や小原の和紙工芸の基礎を築く。藤井を顕彰するとともに、彼のように既成概念にとらわれない今日的精神をもつ現代の作家や作品に焦点を当て、教育普及や街づくりの拠点としての役割に力を入れる。開館直前に運営費を巡って市議会が反発し、年1億円にまで削られるなど厳しい状況からのスタートを強いられたが、開館記念展には24,171人が来館し、無料招待の地元小中学生にも好評を得た。
[オープニング事業]「藤井達吉のいた大正」
[施設概要]展示室4室、創作室、多目的室、情報コーナーなど
[設置・管理・運営者]碧南市
[設計者]日本設計株式会社