一般社団法人 地域創造

平成20年度「公共ホール現代ダンス活性化事業」全体研修会終了

●平成20年度「公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)」全体研修会終了

 研修の成果をより着実に事業に反映させることを目的に、今年度は基礎知識を学ぶ研修会~基礎知識編(11月6日、7日)と、登録アーティストのプレゼンテーション(1月8日、9日)に分割して実施しました。
  研修会では、20年度の参加10館の担当者が集い、コンテンポラリーダンスの歴史、ダンス事業の制作や企画のつくり方、アウトリーチや公募のワークショップの組み方などについて、コーディネーターの皆さんからこれまでのダン活の実例を中心に講義がありました。
  それを受けて、参加館で企画の構想づくりを行い、質問事項を整理して、新年早々に東京芸術劇場リハーサル室で行われた登録アーティストのプレゼンテーションに臨みました。プレゼンテーションに先立ち、登録アーティストと共に地域に派遣され、事業実施のアドバイスを行うコーディネーターとの質疑応答の時間が設けられました。
  アーティスト滞在期間中の稽古場をどのぐらい確保すればいいかといった制作的な質問から、床材の確認、公開稽古、デモンストレーション、地元ミュージシャンとのコラボレーション、野外公演の可能性といった企画に関する質問、また、コミュニケーション不足からトラブルになりやすい劇場技術スタッフの公演への関わり方についてまで、予定時間をオーバーして熱心に意見交換が行われました。
  その後、アーティスト9組が2日に分けて、30分ずつ公開プレゼンテーションを実施しました。登録2年目ということもあり、映像や実演を交えた作品のデモンストレーション、参加館の人たちも巻き込んだワークショップ体験、自己紹介など、スムーズにプログラムを進行。
  プレゼンテーション初日、岩淵多喜子さんは、男女二人のダンサーによる作品を披露し、セレノグラフィカのデモンストレーションでは、正座から始まり、座りっぱなしで踊る男と女の無制限一本勝負と銘打ったダンスの一部を床に座って見学。「身体をゆるめるのが私のワークショップの基本」という岩下徹さんのデモンストレーションでは、全員が床に寝そべり肉体が液体になるような身体感覚を体感しました。また、森下真樹さんは、27歳の時にデビュー作として発表して以来踊り続けた作品『デビュタント』の一部をデモンストレーションしました。
  2日目では、伊藤多恵さんが参加者に振り付けを行って短い作品として動きをまとめ、北村成美さんは両手使いで絵を描きながら踊りを披露、黒沢美香さんは踊りながら話しをし、また、東野祥子さんは体に流れる小さな玉をイメージして体を動かすワークショップを行いました。そして山田うんさんはアウトリーチ先の子どもたちが必ずといっていいほど夢中になる自己紹介ダンスを披露するなど、それぞれ独自の表現を織り交ぜたパフォーマンスに、会場は静かな熱気に包まれました。

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左:岩下徹さん
右:森下真樹さん

●平成20年度「公共ホール現代ダンス活性化事業」概要

◎実施内定団体
北海道深川市、岩手県北上市、茨城県小美玉市、福井県坂井市、愛知県豊橋市、愛媛県松山市、福岡県直方市、佐賀県佐賀市、鹿児島県鹿児島市、鹿児島県徳之島町

◎登録アーティスト(平成19・20年度)
伊藤多恵、岩下徹、岩淵多喜子、北村成美、黒沢美香、東野祥子、森下真樹、山田うん、砂連尾理+寺田みさこ、セレノグラフィカ(隅地茉歩、阿比留修一)
*五十音順、ソロ・デュオの順

◎コーディネーター(50音順)
菊丸喜美子(株式会社CAN代表取締役)
佐東範一(NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク代表)
志賀玲子(伊丹市立演劇ホール〈アイホール〉プロデューサー)
堤康彦(NPO法人芸術家と子どもたち代表)
花光潤子(NPO法人魁文舎代表)
平岡久美(Dance in Deed!代表)

◎問い合わせ
芸術環境部 下元・坂間・栗林・石井・倉田
Tel. 03-5573-4064

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