一般社団法人 地域創造

「リージョナルシアター・シリーズ」公演のお知らせ

 全国各地の実力派劇団を紹介する「リージョナルシアター・シリーズ」が2月21日~3月2日、東京芸術劇場小ホール1で開催されます。本シリーズは地域創造と東京国際芸術祭との共催で1999年にスタート。平成17年度までは、地域を拠点に活動する劇団等の本公演を東京で上演してきましたが、昨年度からより充実した作品づくりをバックアップすることなどを目的にリーディング公演部門と創作・育成プログラム部門の2部門制で再スタートしました。

 

◎リーディング公演部門
 札幌からWATER33─39、伊丹から水の会、熊本から劇団0相が参加。1週間東京に滞在して稽古を行い、リーディング公演を実施します。各劇団の劇作家にはプロの劇作家がアドバイザーとして戯曲の創作段階から助言を行い、作品の充実を図ります。また、このリーディング作品はリージョナルシアター・シリーズで上演された後、公共ホール等の協力のもと、本公演として各地域で上演します。丁寧に仕上げられた作品にご期待ください。

 

◎創作・育成プログラム部門
 劇団「魚灯」の山岡徳貴子(京都)が昨年度のリーディング公演部門から選出され、東京に6~7週間滞在し、プロデュース公演を創作します。ユーモアを交えながら人間の内面をえぐり出す山岡作品。今、最も注目されている劇作家の新作にご期待ください。

◎リージョナルシアターズ・ミーティング
 第一線で活躍する劇作家・演出家らが集う「リージョナルシアターズ・ミーティング」を2月21日(木)に開催いたします。詳細は次号レターにて掲載します。

 

●リージョナルシアター・シリーズに関する問い合わせ
芸術環境部 大垣・坂田
Tel. 03-5573-4124

 

リーディング公演部門

●WATER33─39(札幌)『ためいきをつくかいのはなし』
[日程]2月29日(金)15:00、3月1日(土)17:00
[作・演出]清水友陽 [出演]赤坂嘉謙、岩尾亮、岩田雄二、佐井川淳子、高石有紀、中塚有里、杉吉結
[アドバイザー]深津篤史
◎前身「清水企画」(1997年結成)は札幌の小劇場を中心に活動。2005年、初の東京公演となった若手演出家コンクール(日本演出者協会主催)において『隣りの王様』を発表し、優秀賞を受賞する。同年『ハムレット』でソウル公演。06年「WATER33─39」となり、会話劇のほかにも、無言劇をはじめ、さまざまな演出手法を用いて作品を発表。その多用な作風の根底には「演劇の自由と不自由を考える姿勢」がある。

 

●水の会(伊丹)『超人の兄』
[日程]2月29日(金)19:00、3月2日(日)13:00
[作・演出]奥野将彰 [出演]原真、得田晃子、橋本浩明、井尻智絵、奥野将彰、河合良平(インテレーP)
[アドバイザー]竹内銃一郎
◎2000年9月に関西学院大学劇研究部爆劇☆団出身の原真と奥野将彰によって旗揚げ。作・演出は奥野が担当し、いびつな人間関係を積み上げ、土壇場に立たされた人々から生まれる「哀しい笑い」をキーワードにした作品をワンシチュエーションで描く。03年から06年にかけては、伊丹アイホールとの3年連続共同製作事業「還る鮭たち企画」に参加。大阪や神戸などの劇場で多数の企画に参加しながら、年1本の新作公演を行い、現在の作風を確立している。

 

●劇団0相(熊本)『アクワリウム』
[日程]3月1日(土)13:00、3月2日(日)17:00
[作・演出]河野みちゆき [出演]松岡優子、椎葉みず穂、平野浩治、高松よしなり他
[アドバイザー]宮沢章夫
◎2001年に旗揚げ。第2回公演から代表の河野みちゆきが作・演出を務める。04年、北九州芸術劇場で作品を上演、05年には福岡ぽんプラザホールの演劇祭「火曜劇場」に参加するなど県外の公演も意欲的に行う。06年には熊本県立劇場主催「熊本リージョナルシアターvol.1」の出演団体に選出され、07年の「同vol.2」では、熊本県立劇場と熊本演劇人協議会がプロデュースするミュージカル作品の作・演出として河野みちゆきが抜擢される。また、同氏は熊本市自主文化事業の子どもたちのミュージカルや熊本市民会館リニューアル記念舞台の演出を行うなど、熊本を代表する劇作家・演出家として活躍する。「0相」という劇団名はニュートラルに準ずる意味をもつ電気用語から命名、表現形態にとらわれない活動の旗印を意味している。

 

創作・育成プログラム部門

●山岡徳貴子(京都)『着座するコブ』
[日程]2月21日(木)19:00、22日(金)14:00/19:00、23日(土)14:00、24日(日)14:00 [作・演出]山岡徳貴子 [出演]杉山文雄、野中隆光、三村聡、鈴木陽代、田中夢、武田暁 [アドバイザー]高瀬久男 ◎京都を拠点に活動する「魚灯」で脚本・演出を務め、2002年『祭りの兆し』で第8回OMS戯曲賞佳作を受賞。その作風は、人間の内面をえぐる残酷さとそれを笑い飛ばす愛とユーモアに溢れ、緊迫感漂う上演により評価を得ている。07年「リージョナルシアター・シリーズ リーディング公演部門」で発表した『静物たちの遊泳』が絶賛を受け、「創作・育成プログラム部門」に選出された。現在最注目の劇作家・演出家。

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