地域創造ではステージラボ修了者を対象に、より専門的・実践的な研修機会を提供する「ステージラボ・マスターコース」を実施しています。今年度は全国のホールや美術館から計12名が参加、2つのコースに分かれて約10カ月間の研修に取り組み、1月31日、2月1日には1年間の研究成果を発表する後期研修会を開催しました。
事業企画コースⅠではJCDN代表の佐東範一氏をアドバイザーに「地域において新しいダンスプログラムをどのように定着させていくことが出来るのか」をテーマに研修を行いました。地元企業との連携で先進的なダンス事業を行っている福岡市、住民の教えたい意欲、学びたい意欲を結びつけた地域密着型事業を行っている多治見市を視察。教育・福祉・健康などさまざまな分野に携わる人々と協力し、各地で起こりつつあるコンテンポラリーダンスブームを継続させていく仕組みづくりの“発明”に挑戦しました。
事業企画コースⅡでは、世田谷美術館の高橋直裕氏をアドバイザーに「美術館の底チカラで地域を楽しく元気に!」をテーマに設定。有志の市民グループが中心となり、街の活性化を図っている足立区北千住のフィールドワークや越後妻有アートトリエンナーレ総合ディレクターの北川フラム氏へのヒアリングなどを実施。高橋さんから「企画展はとりあえず忘れて!」「今までと違うことに挑戦しよう!」と檄をとばされながら、「地域の資源(物的、人的)を生かした」プログラムづくりに取り組みました。
そして後期研修会では、これらの視察の報告と、参加者が作成した事業企画が発表されました。
事業企画コースⅠでは、コンテンポラリーダンスのもつ可能性を、現代の日本が抱えている問題の解決に生かしていく中で、ダンスの担い手を増やし、各地域で継続的にダンス事業を育てていく「Dance Life Projec」を提唱。マスターコース参加者の所属する7館を中心として、3年間にわたり各地で健康・福祉・教育などの分野と絡めたダンス事業を行っていくプランが発表されました。また事業企画コースⅡでは、“150年前”から地域にあるものを探し出す「むかしをさがそう!-150年前にGO!」や、地域に住む富裕層を対象に絞った「アザミネーゼのためのフィニシングスクール(女性向け美術講座)」など、ユニークな企画案が次々と紹介されました。
発表の内容は、報告書に取りまとめる予定ですので、関心のある方は担当までお問い合わせください。
●ステージラボ・マスターコースに関する問い合わせ
芸術環境部 有本晃子
Tel. 03-5573-4076