一般社団法人 地域創造

平成17年度「市町村立美術館等活性化事業」終了報告

zai02.jpg

 去る1月15日、地域の市町村立美術館等の活性化を目的とする本事業の6回目の共同巡回展「現代美術のABC ~アートはあなたのそばにある~」展が幕を閉じました。本展は昨年7月23日福井市美術館に始まり、新潟市新津美術館、愛媛県八幡浜市民ギャラリー、山口県周南市美術博物館と半年近くかけて巡回したもので、総入場者数は1万2,051人に上りました。

 従来、本事業で紹介してきたのは近代美術が中心でしたが、広島市現代美術館の多大なご協力の下、市町村立美術館での開催が難しい現代美術の展覧会を初めて開催することができました。

 出品作品は、同館のコレクションを中心に、赤瀬川原平、太田三郎、草間彌生、白髪一雄、高松次郎、柳幸典など、新鮮な驚きを与えてくれるものばかり。今私たちと同じ時代を生きている作家たちが、日常をどのようにとらえ直してみせてくれるかを、素材や表現技法に注目して、自然、人体、生活、社会の4つのグループに分けて紹介しました。

 ユニークなカード式の図録(写真)も各担当学芸員がアイデアを出し合って共同制作したもの。展覧会場での区分とは別に、手に取る人が自分の視点でゲーム感覚で組み替えられ、作品の見方、感じ方は一つではないのだというメッセージがこもっています(各開催館で販売中)。

 開催館からは、大人の苦手意識で遠ざけてしまわないで、子どもたちに同じ時代を生きている作家の作品を紹介できたことに意義を感じるという声もいただきました。

 このほか、関連事業としてヤノベケンジトークショー、新津、八幡浜、周南会場では来館者からアーティストに手紙を書いてもらうコーナーを設けたほか、太田三郎ワークショップ(八幡浜会場のみ)を実施いたしました。

 

●市町村立美術館等活性化事業とは

実施の2年度前の秋に開催館を募集し、前年度から地域創造の企画検討委員や展覧会アドバイザーと綿密なやりとりをしながら巡回展をつくり上げていくものです。平成18年度は岐阜県美術館のコレクションを中心に「参加してエンジョイ」と題し、八王子市夢美術館、安城市民ギャラリー、福井市美術館、倉敷市立美術館の4館で実施予定。平成19年度の参加館募集は既に締め切り、次回は平成20年度の開催館を平成18年秋に募集する見込みです。

 

●市町村立美術館等活性化事業に関する問い合わせ

振興助成課 杉山・和田 Tel. 03-5573-4057

カテゴリー