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●“アートサーカス―日常からの跳躍”をテーマに
「第2回横浜トリエンナーレ」開幕
現代美術の国際展「第2回横浜トリエンナーレ」が9月28日、いよいよ開幕する。第1回は2001年秋に開催され、本来なら2004年に第2回が開かれる予定だったが、主会場のひとつ、パシフィコ横浜に先約があったため利用できないことが判明、会場の選定に時間がかかっていた。さらに建築家・磯崎新氏から美術家の川俣正氏へと総合ディレクターの交代劇も手伝い、その動向が注目されていた。
川俣氏は「どんな美術展なら自分が出たいか」ということを出発点に、テーマを「アートサーカス(日常からの跳躍)」とし、「サイト・スペシフィック(場に関わる)」「人と関わる」ことを重視。自身もこれまで多くの「場」に関わる作品を発表し、プロジェクトに携わってきた経験から、体験参加型の作品や公開制作、時間の経過やコミュニティとの関わりの中で変化していく作品(ワーク・イン・プログレス)などを通して、何度来ても新しい発見があるアートとの出合いの場を形成するという方針を打ち出した。会期中は多様なパフォーマンス、映像などのコミュニティ・ワークショップや、シンポジウム、ギャラリー・トークなどの交流イベントを実施する。キュレーターには天野太郎氏(横浜美術館学芸課長補佐)、芹沢高志氏(P3 art and environmentディレクター)、山野真悟氏(ミュージアム・シティ・プロジェクト運営委員長)が就任し、個々の企画や展示を進める。
参加アーティストはダニエル・ビュラン(フランス)、奈良美智+grafなど30カ国・地域の86作家(71プロジェクト)。20歳代から60歳代後半と年齢層が幅広く、ユニットやコラボレーションといった複数構成のスタイルをとるアーティストが数多く参加。また、海外在住の日本人作家が10人と多いのも特徴だ。
メイン会場となるのは、通常は一般の入場が制限されている山下ふ頭の3号、4号上屋(倉庫)。2棟合わせて延べ床面積が約1万2000平方メートルに及ぶ大空間だ。市民・学生によるボランティア・スタッフ「トリエンナーレ・サポーター」が組織され、さまざまな企画が立ち上がり、市民による準備も急ピッチで進んでいる。
サーカスのように非日常的で、意外性に富み、高揚感を醸し出す祝祭的な場。どんなアートに出合えるか、楽しみだ。
●横浜市
[日程]9月28日~12月18日
※会期中無休 10時~18時(金曜日は21時まで)
http://www.yokohama2005.jp