一般社団法人 地域創造

平成16年度「市町村立美術館等活性化事業」終了報告

 地域の市町村立美術館等の活性化を目的とする本事業の5回目の共同巡回展「エコール・ド・パリ 夢と哀愁」が昨年12月19日、好評のうちに幕を閉じました。本展は9月3日、新潟県の新津市美術館を皮切りに、長野県の辰野美術館、兵庫県の尼崎市総合文化センター、佐賀県の唐津市近代図書館と巡回してきたもので、総入場者数は13,868人に達しました(新津:4,614人、辰野:1,743人、尼崎:4,966人、唐津:2,545人)。
 今回の展覧会では、1920年代に美術・音楽・文学など多様な芸術の中心地であったパリで活躍した、エコール・ド・パリ(パリ派)とよばれる芸術家たちの油彩、彫刻、写真、版画といった幅広い作品を展示いたしました。
 出品作家はモディリアーニ、パスキン、キスリング、シャガール、藤田嗣治など。北海道立近代美術館のコレクションを中心に、熊本県立美術館・岐阜県美術館・静岡県立美術館などのご協力を得て、エコール・ド・パリを代表する作家たちを紹介することができました。

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 また、多ジャンルにわたる芸術が花開いたエコール・ド・パリに相応しく、各会場で音楽活性化事業と連携したコンサートとアクティビティも実施いたしました。コンサートでは、出品作家と同じ時代を生きたパリの作曲家サティらの曲に加え、同時代の日本に目を向けて唱歌などを取り上げ、新津・尼崎・唐津ではハーモニカの竹内直子さん、ギターの坪川真理子さんが演奏。辰野ではヴァイオリンの磯絵里子さん、ピアノの中川賢一さんによる「エコール・ド・タツノ」と題した観客参加型のコンサートを展開しました。各会場で演奏家と学芸員によるトークを交えた進行によって、エコール・ド・パリにさまざまな形でアプローチする企画となりました。
 このほかの関連事業として、新津・尼崎・唐津で高橋直裕さん(世田谷美術館教育普及課長)によるオリエンテーリング「てんらんかいのナゾ」、辰野でミュージアムエデュケーション・プランナーの大月ヒロ子さん((有)イデア)によるワークショップ「タイムマシンでエコール・ド・パリ ツアー」を実施いたしました。

 

◎平成17年度以降の予定

市町村立美術館等活性化事業は、展覧会実施の2年度前の秋に開催館を募集し、前年度から地域創造の企画検討委員会や展覧会アドバイザーと綿密なやりとりをしながら巡回展をつくり上げていく事業です。平成17年度は広島市現代美術館のコレクションを中心に「現代美術のABC~アートはあなたのそばにある~」と題して、福井市美術館、新津市美術館、八幡浜市民ギャラリー、周南市美術博物館の4館で実施する予定です。18年度の参加館募集はすでに締め切り、次回は19年度の開催館を今秋に募集する見込みです。

 

市町村立美術館等活性化事業に関する問い合わせ
 振興助成課 杉山・南谷 Tel. 03-5573-4057

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