一般社団法人 地域創造

特集「2004年 夏のフェスティバル」

●節目を迎える老舗音楽祭

 30周年となる「ゆふいん音楽祭」は、大分県中部地震からの復興をアピールしようと、1975年に湯布院温泉観光協会が主催した「星空の下のコンサート」が始まり。今年から総合アドバイザーにチェンバロの第一人者小林道夫氏を迎え、記念年として「春・夏・秋・冬」の4回にわたってコンサートを予定しています。
 同じく30周年の「木曽音楽祭」は、木曽福島に移り住んだ楽器製作者の飯田裕氏がキーパーソンとなり、地元のクラシック愛好家たちとともに演奏家を招いて定期演奏会を開いたのがきっかけです。75年に世界的なヴィオラ奏者のプロムローズ氏が滞在して公開レッスンとコンサートを行ったことから音楽祭が始まりました。途中、財政難に見舞われながらも、町民ボランティアに支えられ、今ではヴァイオリンの漆原啓子氏など一流の演奏家と夏の一時を過ごせる手づくり音楽祭として定着しています。
 このほか、避暑地の滞在型音楽アカデミーの草分けである「草津夏期国際音楽祭アカデミー&フェスティバル」と「霧島国際音楽祭」が25回、ピアニストの江戸京子氏ら音楽家3人の発案によってスタートした「〈東京の夏〉音楽祭」が20回を迎えました。それぞれに記念イベントなどが企画されており、老舗音楽祭の雰囲気を味わうには絶好の機会となっています。

 

●話題の新施設に注目

 昨年7月にオープンした北九州芸術劇場が本格的な夏休み企画として「大人もいっしょに 子どもたちの劇場シリーズ」(詳細はコチラ)をスタート。これは、公演と関連ワークショプを組み合わせたプログラムで、今年は5公演(3関連事業)と作・演出家の生田萬氏による小学生向け演劇づくりワークショプが行われます。演劇のクリエイティビティが体感できる公演が揃っているほか、各種セット券も販売されるなど、運営サイドのキャリアが感じられるプログラムづくりになっています。
 串田和美氏が芸術監督を務める「まつもと市民芸術館」(8月29日グランドオープン)と、来年秋にオープン予定の「兵庫県立芸術文化センター」でも、この夏に開館後の展開を見据えたプレ事業を予定しています。まつもと市民芸術館が地元の信州大学との連携を模索するダンス・ワークショップを実施するのに対し、佐渡裕氏の芸術監督就任が決まって以来、クラシック音楽の普及・育成活動に力を入れている兵庫県立芸術文化センターでは、県内の地域と連携した音楽合宿&コンサートを企画(詳細はコチラ)。
 また、新国立劇場と東京オペラシティコンサートホールが、7月20日から8月31日まで「アーツシャワー2004~オペラシティの夏祭り~」と題して子どものためのオペラ公演やお芝居、大道芸などを各所で展開するなど、夏休み企画に力を入れています。

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