募集
「全日本オペラネットワーク」会員募集
全国各地で地域の文化振興とまちづくりの一翼を担ってオペラ事業を展開しているオペラ関係団体や公立文化施設、文化行政担当部署などが、情報交換や協同制作の推進を図る組織として昨年7月に発足した「全日本オペラネットワーク」では現在会員を募集中。制作事例・資金・人材・人づくりなど、共通の課題についての情報交流や、制作各分野での協同推進を図ることとしている。
[問い合わせ]日立市科学文化情報財団内事務局 Tel. 0294-24-7711
http://www.civic.jp/operanetwork
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●東京都が若手アーティストを支援!
文化活動へ施設を開放
東京都は、来年度から若手アーティストを支援するため、都施設の壁面や空きスペースを創作活動に開放する事業を開始する。ストリート・ペインティングと、演劇のための練習場所提供がその内容で、前者は六本木トンネルのほか代々木公園など3箇所の都立公園内施設の壁面を、後者は築地市場内の旧管理事務所スペースを活用して行われる。
これまでも都は、「トーキョーワンダーウォール」「トーキョーワンダーサイト」などといった新進気鋭のアーティストを支援する事業や、公共空間をアーティストに開放する事業「ヘブンアーティスト」など積極的に芸術文化振興施策を展開してきた。こうした中、新たにスタートする今回の事業は、これまでのコンセプトに沿ったものであるとともに、ストリート・ペインティングについては、とかく無機質な印象を与える都市環境に芸術的で人間味のある空間を創出することも狙いだ。
開放する施設・場所の選定に当たっては、都庁全局を対象に調査を実施。ストリート・ペインティングには多くの人々が集まり注目を得やすい場所を、演劇の練習場所には、音の関係などから住宅地が隣接していない場所をなど、さまざまな角度から検討が行われた。
「ストリート・ペインティングに参加するアーティストは、『トーキョーワンダーウォール』の入賞者などから選ぶ予定です。制作の場所や構想については、アーティストの考えを尊重しながら、管理側との意見交換を密にして決めていきます。4月末から制作に取りかかり、完成後約1年間展示する予定ですが、制作現場もぜひ多くの方々にご覧いただいて、アーティストにいい刺激を与えてもらえればと考えています。また、演劇の練習場所は、公演前1カ月程度の期間、専用で使用できるような形態を想定しています。使用時間は、市場の業務に支障のない13時~21時までとして、なるべく各団体の自主性と責任に任せて運営していく予定です」(都生活文化局文化振興部企画調整課・工藤ひろ子さん)。
練習場所の使用団体募集などの案内は、東京の芸術文化情報を発信する都生活文化局運営のWEBサイト「東京アートインデックス」(http://www.artindex.metro.tokyo.jp)で3月末に公開する予定。
●[問い合わせ]東京都生活文化局 文化振興部 企画調整課 Tel. 03-5388-3151
●ユニークな〈仮設劇場〉コンペ
細胞膜のような劇場「WA」が大賞
3月16日、第1回大阪現代芸術祭〈仮設劇場〉デザインコンペの最終審査が行われ、大賞に五十嵐淳氏の『大阪現代仮設劇場「WA」』が決定した。このコンペは、近年、劇場閉鎖の続く大阪市内に小劇場の拠点を取り戻す試みとして企画されたもので、大賞受賞作は実際に建設され、2005年春から3カ月間、市内数カ所を移動しながら公演が行われる予定になっている。
コンペの条件は4つ。
・ポータルブル式であること
・1週間をメドに建設・解体ができること
・建設予算1000万円以内
・客席200、舞台150平方メートルの規模を確保すること
応募登録は海外を含め578件。図面応募117件の中から第一次審査を経て、この日、公開で行われた最終審査に残ったのは14作品。新たに50分の1の模型と詳細な予算書を作成し、建築家や演劇人など7名の審査員を前に各10分の持ち時間でプレゼンテーションと質疑が行われた。
リストラ失業した阿弥家一族が車のついた移動式のタンスで暮らしながら全国遊行する物語を設定した「遊行車箪笥」、直径24メートルの円形原っぱを提案した「リミテッド・グローブ」、巨大な布をクレーンで吊るす「フレキシブル・クロス」、折り畳みの壁でつくる「PLIE、まゆのような膨らみをもち自在に変形する「コラボレイティブ・コクーン」などなど。
全員、仮設劇場初チャレンジという作品群は、「演劇とは」「劇場とは」を真摯に考えた“演劇論”を具体化したスペースばかり。くしくも多くのプランナーが「気配を伝えたい」と言っていたのが印象的だった。
それを象徴するかのように、大賞を受賞した「WA」は、空気の入った透明ビニールの筒とオーガンジーの布をカーテンのように吊るし、どこからでも出入り自由な円形のスペースをつくるという、限りなく「内と外の境をなくした」細胞膜のような劇場だった。この劇場が新たなイリュージョンを生み出すための準備が、これから1年かけて行われる。
[審査員]岩崎正裕、小堀純、團紀彦、深津篤史、藤本由紀夫、山崎泰孝、松本雄吉
※最終選考に残った14作品の模型は、17日から21日まで大阪・毎日放送ロビーに展示された。