一般社団法人 地域創造

アーツセンター情報

●データの見方

 

●で表示してあるのはアーツセンターの所在地です。以下名称、住所、電話番号を記載しています。また、基礎的データとして、設置者、運営者、設計者、ホール席数などの施設概要を紹介しています。

 

九州・沖縄

 

●北九州市

 

北九州芸術劇場

 

〒803-0812 北九州市小倉北区室町1-1-1-11 リバーウォーク北九州内
Tel. 093-562-2655

◎2003年8月11日オープン

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紫川のほとり、小倉城そばに誕生した複合施設「リバーウォーク北九州」内に開館。北九州市では、まちづくりの方向を「多核都市」から「都心・副都心の形成と地域の特性を生かした整備」へと政策を転換し、小倉地区に都心機能をもたせる事業を展開。その一環として、賑わいと活力のある「百万都市の顔づくり」のために中心部の小倉北区役所用地の高度利用を検討、文化施設を核とした複合施設の整備を進めてきた。本劇場は、市内に音楽専用ホールを有する公立文化施設が既設されていることを考慮し、演劇を柱とした整備が図られた。施設は大ホールのほかに演劇・ダンス専用の「中劇場」、小劇場演劇の公演に適した「小劇場」で構成されている。壁面や客席が黒一色で統一されている中劇場は、700人収容の規模でありながら客席最後部から舞台まで18.5mと近く臨場感と一体感が味わえるほか、小劇場は客席が可動式で舞台と客席のレイアウトが自由な設計となっている(→関連記事「今月のレポート」)。

[施設概要]大ホール(1269席)、中劇場(700席)、小劇場(最大216席)、芸術文化情報センター(プレイガイド、インフォメーション、アートライブラリーほか)
[設置者]北九州市
[管理者](財)北九州市芸術文化振興財団
[設計監理](株)日本設計

 

●世界的振付家、ドゥクフレのレジデンス公演で幕開け~山口情報芸術センター

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 11月1日、山口情報芸術センターがオープンした。巨大な波のように見えるユニークな屋根が特徴で、施設内は市立図書館と公演・展示・制作に利用できるスタジオ部分に大別される。

 同センターは、山口市が93年に策定した「やまぐち情報文化都市基本計画」に基づき整備が進められたもの。プロポーザルにより株式会社磯崎アトリエが設計を担当することになり、「最新の情報技術設備を有し、最先端の芸術を生み出す」運営方針が話題を呼んだ。しかし、巨額の建設・運営費などが市長選の争点となり、当選した見直し派の合志栄一新市長が工事の3カ月間中断を指示。“市民100人委員会”などで見直し内容が議論された結果、運営費削減、市民参加の枠組みを取り入れることなどが基本計画に盛り込まれるなど、オープンまでの道は平坦ではなかった。ただし、ハード面については工事が既に進行していたため基本的な構造には変更はなく、最新の舞台機構を備え、ダンス、演劇、パフォーマンスなどさまざまな舞台芸術に対応できるスタジオA(約500人収容可能)や、最先端の情報処理関係の設備を備えた“ラボ”などが特徴となっている。

 広報の小滝友見子さんは、センターの事業方針について「こうした設備を生かし、公演・展示だけでなく創造の場でありたいと考えています。取り上げる対象も、既存のジャンルにとらわれず実験的な試みをしていきたい」と語る。こうした方針を反映したのが、オープニング公演のダンス公演『イリス』だ。この作品は、欧州を代表するフランスの振付家、フィリップ・ドゥクフレと、日仏中韓のダンサー・スタッフ約35名が約2カ月山口に滞在しつくり上げたもので、斬新な映像効果と身体表現がコラボレートした作品となっていた。

 オープニングには、上記公演のほか、大道芸や、メディアアート展、野外で光を使った参加型アートプロジェクトなどが行われ、親子連れから学生、お年寄りなど数多くの市民が訪れた。最先端の設備や表現と、市民をどう繋いでいくのか。センターの今後の取り組みに注目したい。

 

●山口情報芸術センター

[オープン日]2003年11月1日
[所在地]〒753-0075 山口県山口市中園町7-7 Tel. 083-901-2222
[設置者]山口市
[設計管理]株式会社磯崎アトリエ、山口市都市整備部建築課
[施設概要]スタジオA(約500人収容)、スタジオB(約300人収容)、スタジオC(映像ホール)、創作・学習室、ラボ、市立図書館
[オープニング事業]ダンス公演:フィリップ・ドゥクフレ国際共同製作『イリス』、展覧会:「アモーダル・サスペンション─飛びかう光のメッセージ」ラファエル・ロサノ=ヘメル

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