地域創造が埼玉県芸術文化振興財団との共同主催により平成9年度から実施している「ステージクラフト~舞台技術ワークショップ」が、9月2日~5日の4日間、彩の国さいたま芸術劇場で開催されました。全国から31名の受講生が集まり、舞台、照明、音響の3班に分かれてワークショップに取り組みました。
この事業の最大の特徴は、本物の公演の裏方を体験しながら舞台技術の基礎を学ぶところにあります。彩の国さいたま芸術劇場が、技術スタッフの研鑽と創作活動を目的に年1回実施しているプロデュース公演を実地研修の場として提供。その公演の演出家、音響・照明・美術プランナーや劇場の技術スタッフが指導者(インストラクター)となり、研修が行われました。
今年度の舞台となったのは、竹内銃一郎作・演出による『21世紀グリムIV~クロー婆と三色すみれ』。これは、馬の呪いに怯える村にやって来た劇団の話、敵の少年兵をかくまった一家の話などのオムニバス作品。研修プログラムでは、早速、演出家やプランナーから作品についての解説を受けた後、担当ごとにテクニカルトレーニングとリハーサル、そして緊張の本番に取り組みました。
受講生からは、「舞台に対する『知識』よりも『意識』の変化を感じている。安全管理の重要性、ものづくりをするためのチームワーク、考え方の統一等他のスタッフに伝えていきたいと思う」「自分のホールでは舞台は委託業者に任せており、現場のことはほとんど知らなかった。しかし、研修でほんの一部ではあるが知ることができ、委託業者の考え方を理解しやすくなった。今まで以上に利用者に満足してもらえる舞台づくりに努力していきたい」などのコメントがありました。
『21世紀グリムIV~クロー婆と三色すみれ』は、昨年初めて行った埼玉県内での外部公演に続き、今年は県外公演にも進出します。また、来年度は公共ホール演劇製作ネットワーク事業の制作館に決定していることから、これと連携した新たな展開が期待されます。
●ステージクラフトに関する問い合わせ
地域創造芸術環境部 小島・鈴木
Tel. 03-5573-4069