8月8日、9日に大阪国際会議場(大阪市北区中之島)において「舞台芸術・芸能見本市2003大阪」が開催されました。これは、舞台芸術・芸能活動に携わる幅広い関係者が集い、新しいネットワークと分野を越えたコラボレーションを育むことを目的とするもので、今回で4回目を迎えます。ショーケースを目当てに夏休みの親子連れが多数来場するなど、約130団体が出展したブース会場は終日、賑わっていました。
地域創造では、(社)全国公立文化施設協会との共催によるセミナー「アウトリーチを評価する!」と公共ホール音楽活性化事業登録アーティストにによるワークショップ「芸術を体験してみよう!」を開催しました。
セミナーでは、アウトリーチの概念について整理した後、アウトリーチの現場から和田山町文化会館・ジュピターホール(兵庫県和田山町)の藤田茂樹氏と伊丹市立演劇ホール・アイホール(兵庫県伊丹市)の山口英樹氏がそれぞれ取り組みを紹介。続いて、文化政策の専門家である中川幾郎氏(帝塚山大学法政策学部教授)と、昨年度、事業評価のあり方について報告書をまとめた高知県立美術館の藤田直義氏を交えて、アウトリーチと評価をめぐって討議が行われました。「アウトリーチ活動は、社会にインパクトを与えることにより、社会のもつ潜在的能力の向上を支援するもの」(中川)、「評価するためにはその前提として計画が必要。5年ぐらいの中期計画の必要性を職員の間で議論している」(藤田)など活発な意見が出されました。
また、ワークショップでは、公共ホール音楽活性化事業の紹介の後、礒絵里子さん(ヴァイオリン)と中川賢一さん(ピアノ)が登場。各楽器の仕組みを体感しながら理解してもらうコーナーやアーティストとのコミュニケーションを図るコーナーのほか、フィナーレではアーティストと参加者が一緒になって、曲づくりと演奏にチャレンジしました。
●「舞台芸術・芸能見本市2003大阪」関連事業
[日程]8月8日
[会場]大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
(1) 地域創造・全国公立文化施設協会共催セミナー「アウトリーチを評価する!」
[パネリスト]中川幾郎(帝塚山大学法政策学部教授)、藤田茂樹(和田山町文化会館〈ジュピターホール〉管理室主査)、藤田直義(財団法人高知県文化財団企画課長・高知県立美術館アートコーディネーター)、山口英樹(伊丹市立演劇ホールアイホール事業担当主任)
[コーディネーター]津村卓(地域創造プロデューサー)
(2) 地域創造主催ワークショップ「芸術を体験してみよう!」
[出演]礒絵里子(ヴァイオリン)、中川賢一(ピアノ)
[コーディネーター]楠瀬寿賀子(公共ホール音楽活性化事業コーディネーター/津田ホールプロデューサー/滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールプロデューサー)
●地域創造主催セミナー・ワークショップに関する問い合わせ
地域創造芸術環境部 福井恒
Tel. 03-5573-4068