●平成15年度支援事業、160事業が内定
このたび「平成15年度地域の芸術文化環境づくり支援事業」による助成事業を内定し、関係団体へ通知しました。この事業は、地方公共団体等における自主事業のプロデュース能力の向上、公立文化施設の利活用の活性化等を図るため、地方公共団体等が自主的に実施する、創造的で文化的な芸術活動のための環境づくりを財政的に支援するために、財団設立時から継続している事業です。
毎年、助成要綱を改正しており、平成15年度においては、実績報告書の提出期限など幾つかの改正を行いましたが、各プログラムの内容自体に大きな変更はありませんでした。なお、宝くじの普及広報に係る表示の方法は従前と同様となっております。
昨年8月に助成要綱を各地方公共団体宛に送付し、10月末に申請を締め切ったところ、全国から221事業(延べ257団体) 、総額9億7,428万円の助成申請がありました。その後、書類審査、審議会による選考を進め、3月7日付で160事業(189団体) の助成を内定し、関係団体に通知したものです。
●申請および内定の概要
平成14年度と15年度を比較すると、申請事業数で17、団体数で13、申請総額で約9,282万円の増となっています。1団体当たりの平均助成申請額を見ると平成14年度で361万円、15年度で379万円であり、ここ数年続いていた事業の小額化傾向から若干、増額に転じた結果となりました。昨年よりも事業数、団体数、申請額が増加した理由はいろいろ考えられますが、一層厳しさを増す地方公共団体の財政状況の中でも、地域における芸術文化行政の充実を進める自治体が増えつつあるのではないかと考えられます。
プログラム別申請・内定状況を表1に示します。平成15年度は昨年度に比べ、創造プログラムの申請件数が1.4倍と大幅に伸びましたが、他のプログラムの申請件数は昨年並みとなっております。各プログラムとも要綱に沿った事業を採択し、表1の内訳となっています。研修プログラムの申請件数はここ数年1桁という状況であり、地域の人材育成を進める意味からも、一層のPRが必要だと考えます。
表2の芸術分野別申請・内定状況を見ると、相変わらず音楽、演劇・舞踊分野の占める割合が高く、近年申請件数の伸びている美術・工芸分野がこれに続いています。
厳しい財政事情の折、皆様のご要望にお応えするため、できるだけ多くの財源確保に努めたため、内定時期が例年より遅れてしまい、各申請団体には大変ご迷惑をおかけいたしました。今後とも、制度の一層の拡充に努力してまいりたいと考えています。
●助成プログラムと審査ポイント
審査では、(1) 助成対象者として適当である、(2) 公立文化施設で実施される、(3) 入場料を徴収している、ということを前提に、内容の審査を行います。各プログラムの助成事業の内容及び審査のポイントは次のとおりです。
※全プログラム共通
主な審査のポイントは、事業企画・運営に対する地方公共団体の自主性・主体性が認められるかどうか、事業実施により自主企画事業のプロデュース能力の向上や事業企画・運営のノウハウ取得が期待できるかどうかです。買い取り公演は対象となりません。
(1) 創造プログラム
地域の芸術環境づくりに関し、段階的・継続的に推進する事業であり、事業運営の手法において顕著な工夫が認められる事業を対象としたものです。特に、長期的な芸術文化環境ビジョンを持ち、具体的な取り組みとして段階的・発展的に芸術文化環境づくりを推進しているかどうかがポイントとなります。
また、このプログラムでは、最長3年間にわたり、助成を受けることが可能となっています。
(2) 連携プログラム
3以上の地方公共団体等が連携し、自主的に企画し、共同で制作して行うソフト事業を対象としています。単なる公演を実施するだけでなく、公演に普及事業を付加するなど、事業実施の際、地域住民の参画を得ることが必要となります。
また、事業連携による経済的あるいは運営面の効率化などがポイントとなっています。
(3) 単独プログラム
地方公共団体等が自ら事業を企画・制作するものであり、地域の人々が何らかの形で参画する事業を対象としています。地域の独自性とともに、地域住民の事業への関わり方が課題となります。
(4) 研修プログラム
地方公共団体の職員等に実践的な研修の場を提供するため、地方公共団体等が自ら企画・制作する研修事業を対象としています。単なる座学的なものでなく、実践的な研修であるかどうかがポイントとなります。また、受講者が複数の地方公共団体等にわたることが必須条件となっています。
●支援事業に関する問い合わせ
地域創造 総務部振興助成課 Tel. 03-5573-4055