地域創造では、今年度からステージラボ修了者を対象にした専門的・実践的研修として「ステージラボ・マスターコース」を実施しています。今年は17名の参加者が、3コースに分かれ、10月の前期研修から約5カ月間グループ研究に取り組んできました。
その締めくくりとなる後期研修会が2月3日~5日、都道府県会館(東京都千代田区)で開催され、コースごとにそれまでの研究を発表する「成果発表会」が行われました。
“育成支援”をテーマにした「事業企画コース」の発表では、「才能は客席から生まれる」がキーワード。優れた鑑賞事業の提供が、観客やアーティスト、地域のスポンサーの育成に効果的であるということを論証し、鑑賞を育成につなげる仕掛けや、そのために必要なホールスタッフの資質などを整理しました。
“県立ホールの役割と運営”というテーマに取り組んだ「ホール運営コース」は、県立ホール、市町村ホールの現状と課題を分析した上で、「市町村ホールの支援」「情報拠点」「事業評価に対する取り組み」など、県立ホールに求められる役割についてまとめました。発表に対して、市町村ホールの担当者から、「市町村ホールを対象に、“県版舞台芸術見本市”を開催したらどうか?」など、具体的な提案がいくつも出され、活発な質疑が展開されました。
「まちづくりコース」は、議論の結果、全員の共通見解となった“まちづくりとは人づくりである”という命題をもとに、各参加者が自分の地域で取り組みたい企画・事業を練り上げ、発表。市町村合併を見据えた企画提案など、自分たちの町の未来を真剣に考えた意見が出されました。
内容はもちろんのこと、全コースプロジェクターを使用するなど、視覚的にも工夫を凝らしたプレゼンテーションとなり、さすが「マスターコース」らしい成果発表会となりました。これらの発表は、報告書にとりまとめる予定ですので、ご関心のある方はお問い合わせください。
●ステージラボ・マスターコース開催概要
[前期研修]2002年10月9日、10日
[後期研修]2003年2月3日~5日
[報告書発行]2003年3月
◎事業企画コース(テーマ:「育成支援」)
アドバイザー:津村卓(地域創造チーフプロデューサー)
◎ホール運営コース(テーマ:「県立ホールの役割」)
アドバイザー:細川紀彦(金沢市民芸術村村長)
◎まちづくりコース(テーマ:「芸術文化とひとづくり・まちづくり」)
アドバイザー:吉本光宏(ニッセイ基礎研究所主任研究員)
●ステージラボ・マスターコースに関する問い合わせ
地域創造芸術環境部 宮地・齋藤 Tel. 03-5573-4065