一般社団法人 地域創造

アーツセンター情報

関東 

ac01.gif

埼玉県川越市

 

川越市美術館

 

〒350-0053 川越市郭町2-30-1
Tel. 049-228-8080
◎2002年12月1日オープン

市制80周年に開館した美術館。外観は地元にある歴史的建造物と調和するよう白壁を基調とするほか、伝統的建造物の蔵造り商家をデザインに採り入れている。また、積層ゴムの地震エネルギー減衰装置を用いた免震構造になっている。太陽光発電、雨水利用も積極的に行い、年間電気代で60万円、水道代で32万円が節約できると見込まれている。展示については、橋本雅邦や小茂田青樹といった郷土ゆかりの日本画のほか、タッチアートコーナーを設置。視覚が中心となりがちな美術鑑賞を、造形物に直接触れることにより、目の不自由な方にも楽しめるよう工夫。鑑賞しやすさを意識して、反射を抑えたガラスケースや紫外線をカットする照明を導入。さらには、高さ調整付電動車いすを用意し、車いすを利用している人が健常者に近い視点で鑑賞できるように配慮。ユニーバーサルデザインを実践し、障害のある人にも利用しやすくなっている。学校教育における美術館の積極活用や学校週5日制による休日利用を考慮し、小中学生の常設展観覧料を無料にしている。
[オープニング事業]相原求一朗の世界展~自然の詩情
[施設概要]企画展示室、常設展示室、相原求一朗記念室、市民ギャラリー、創作室ほか
[設置・管理者]川越市
[設計者]坂倉建築研究所

 

●住民参加と芸術監督制にチャレンジ~美野里町四季文化館「みの~れ」

ac02.gif

 茨城県のほぼ中央に位置する美野里町は、農業と酪農の盛んな人口2万5千人ほどの町である。施設の構想段階から住民参加で検討を進めてきたことで注目を集めていた美野里町四季文化館(みの~れ)が、昨年11月にその集大成とも言える住民参加ミュージカル『田んぼの神様』でオープンした。

 この施設は、町の活性化と美野里らしさの創出を目的とし、10ヘクタールの緑地を「四季の里」として整備する一環として構想されたもので、1996年には先行して保健福祉施設が開館。「みの~れ」を計画するにあたっては、公募と有識者による住民100人委員会「文化センター創設委員会」を結成。文化創造部会、広報・広聴部会、管理運営部会、建設部会に分かれて、情報誌を発行したり、子どもたちからも「私たちの夢文化センター」の作文募集を行うなどしながら、2年に渡って基本構想の検討を行った。

 もちろんすべての住民が施設建設に賛成したわけではない。反対派の意見も聞きながら行政と住民と専門家が一緒に検討をすすめた結果、構想づくりに関わった住民は合わせて3000人にのぼり、こうした取り組みにより、99年に建設省の「第1回対話型行政推進賞」を受賞した。

 緑の芝生を敷き詰めた敷地内に、中庭をはさんで600席の大ホールと300席の小ホール(中庭と一体利用が可能)があり、別棟として地元の農家が参加している地域食材レストランが併設されている。

 「自然環境との共生もテーマになっているので、敷地内への植樹もすすめていて、アーティストにも植樹をお願いしています。こうしたアーティストと住民と地域外の人たちがここで交流できるような場になればと願っています」(事業計画担当・中村均さん)

 住民参加とともに、みの~れでは美野里らしさの創造を目指して、民間プロデューサーである能祖將夫氏を芸術監督として起用。こけら落としでは、元東京壱組の大谷亮介氏を作・演出に迎え、ジャズピアニストの佐山雅弘氏が生演奏し、住民82名が出演した住民参加のオリジナルミュージカル『田んぼの神様』を発表。来年度以降も住民を対象にした週1回の舞台表現ワークショップや学校への出前事業、住民企画による音楽祭など地域と連携した事業を積極的に展開していく予定という。

 

●美野里町四季文化館(みの~れ)
[オープン日]2002年11月3日
[所在地]〒319-0132 茨城県東茨城郡美野里町部室1069 Tel. 0299-48-4466
[設置・管理者]美野里町
[設計者]佐藤総合計画、美野里町町民
[施設概要]大ホール(600席)、小ホール、楽屋、喫茶コーナーほか
[オープニング事業]美野里町住民参画ミュージカル『田んぼの神様』

 

カテゴリー