本年度で6回目を迎える「地方都市オーケストラ・フェスティバル」が、1月12日のオーケストラ・アンサンブル金沢による「ニュー・イヤー・コンサート」で開幕しました。
このフェスティバルは、地域創造・墨田区文化振興財団・参加オーケストラ等からなる実行委員会の主催により実施しているものです。地域を拠点に活躍するオーケストラを首都圏において紹介することにより、地域の音楽文化環境の一層の活性化を図ることが目的で、これまでに13団体(延べ28団体)が参加しています。
本年度は全国6団体(特別参加2団体を含む)の競演により、3月21日まで開催されています。この機会に、ぜひ、地域の音色を聴き比べていただければと思います。
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会場となるすみだトリフォニーホールのある墨田区錦糸町は、2000年のそごう閉店など、一時は活気をなくしていましたが、今では、高級スーパーも出店し、駅前は東京都の「ヘブン・アーティスト制度」による大道芸のステージになるなど、賑わいを取り戻しています。
オープニングを飾ったアンサンブル金沢がフェスに参加するのは、今回で2回目。ロビーには、演奏家がサインした「謹賀新年」のパネルが設置され、今年の7月に開港する能登空港のキャンペーンコーナーやCD販売コーナーが設けられるなど、多くの人で賑わっていました。ゼネラル・マネージャーの山田正幸氏にお話を伺いました。
「私たちは、年2回、東京、大阪、名古屋で定期公演をやっていますが、財政難の今日、こういう機会があることによって地域のオケには東京公演が身近に感じられるのではないでしょうか。2001年にアンサンブル金沢の本拠地となる石川県立音楽堂ができました。拠点ができたことはとてもありがたいのですが、その分、これまで以上に馬力を入れてやらなければいけない! 月1回だった金沢での定期演奏会を2回に増やし、シンガポールでも隔年の定期演奏会をスタートするなど、年間100回は演奏会をやっています。洋楽の招へいも年50~60本ありますし、それだけ皆さんに何度もホールに足を運んでいただくためには、いい演奏をするだけでは足りない。来て良かったと満足できる雰囲気、サムシングがなければお客さんは何度も来てくれません。金沢のニュー・イヤー・コンサートでは、ロビー全体を花で飾るつもりですが、行ったら楽しめる“ロビー外交”のできる雰囲気づくりが本当に大切だと思っています」
その言葉通り、遊び心のあるプログラム、片言の日本語による親近感のあるMC、客席との一体感を醸し出すマイケル・ダウス(ヴァイオリン)の弾き振りによる演奏など、ホームグラウンドを持ったオケならではの温かみのあるステージに、客席からは盛んに拍手が湧いていました。
●「地方都市オーケストラ・フェスティバル2003」公演日程
◎オーケストラ・アンサンブル金沢
[日程]1月12日 [リーダー&ヴァイオリン]マイケル・ダウス
◎大阪フィルハーモニー交響楽団
[日程]2月23日 [指揮]若杉弘
◎仙台フィルハーモニー管弦楽団
[日程]3月2日 [指揮]外山雄三
◎大阪シンフォニカー交響楽団(特別参加)
[日程]3月9日 [指揮]曽我大介
◎群馬交響楽団(特別参加)
[日程]3月16日 [指揮]高関健
◎広島交響楽団
[日程]3月21日 [指揮]秋山和慶
●地方都市オーケストラ・フェスティバルに関する問い合わせ
トリフォニーホールチケットセンター
Tel. 03-5608-1212
地域創造総務部事業課 大平・永田
Tel. 03-5573-4055