一般社団法人 地域創造

講座・シンポジウム・募集等

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●和紙のフェスティバル―伝統から未来へ 因州和紙―

 書道用の半紙などに多く用いられる「因州和紙」。その産地として知られているのが、鳥取県中央部に位置する人口8,400人の青谷町。今でも青谷町内22社の和紙製造業者を中心に鳥取県で全国の書道用和紙の約60%が生産されている。
この青谷町で、10月12日から因州和紙を素材にしたイベント「和紙のフェスティバル~伝統から未来へ 因州和紙」が開催される。これは、今秋、鳥取県で開かれる国民文化祭「夢フェスタとっとり」の一環として企画されたもので、このほかにも毎年「アザレアのまち音楽祭」の開かれる倉吉市から創作オペラを発信するなど、各市町村で地域の特性を生かした文化事業が展開される予定だ。
因州和紙による地域振興を目指す青谷町では、この8月に新たに紙すき体験ができる「あおや和紙工房」を開設。オープニング事業として高知県、徳島県、鳥取県、韓国の作家による和紙を使った現代アート展「紙・言・語(かみことば)」を企画したばかり。
和紙のフェスティバルを担当する教育委員会事務局の城市索さんは、「平安時代にまで遡る伝統のある因州和紙という地域資源を媒介にして、地域住民の結びつきを促すとともに、その新たな可能性を追求し、魅力を発信することでこれからも町をアピールしていきたいと思っています」と言う。
フェスのメインイベントは二つ。一つが、あおや和紙工房の中庭に和紙のドーム(直径10メートル、高さ3メートル)をつくり、子どもたちがワークショップで制作した作品を展示する「子ども美術館」で、県内にスタジオをもつランド・アートの代表的作家である大久保英治らがドームづくりと子どもの指導で参加。
もう一つが、ピカソの母校であるスペインの「リョッチャ美術学校」の学生が因州和紙で制作した版画約60点を展示する「因州和紙によるスペイン版画交流」展である。青谷町の隣町の出身者が同校に在籍していることが縁で話が始まり、昨年10月に因州和紙青谷協同組合青年部が版画用和紙約850枚をすいてスペインに発送、この4月に作品が到着した。商工会議所のホームページには、「どういう紙が版画に適しているかわからないので、青年部で話し合い、こうぞ、みつまた、がんぴの三大原料の配合を試行錯誤しながら行った」と苦労話が掲載されている。
「最優秀作品の制作者を青谷町に招いて、制作工程を披露してもらおうという企画もあります」と城市さん。こうした新しいチャレンジが新しい技法や和紙を生みだし、新しい人間関係が生まれる――和紙がどんな輪を広げるか、楽しみだ。

 

●鳥取県青谷町
[日程]10月12日~20日
[会場]あおや和紙工房ほか
[問い合わせ]第17回国民文化祭青谷町実行委員会 Tel. 0857-85-2529

 

 

募集

 

第2回かながわ戯曲賞&ドラマリーディング作品募集

 

昨年から始まった「戯曲賞&ドラマリーディング」の第2回募集。テーマは問わない。最優秀作品は演出家と俳優による稽古を経て「ドラマリーディング」として上演される。
[賞]最優秀賞50万円、佳作10万円(各1本)
[審査員]加藤直(劇作家・演出家・神奈川芸術文化財団演劇部門プロデューサー)、七字英輔(演劇評論家)、松本修(演出家・劇団MODE主宰)
[応募締切]10月22日
[問い合わせ先]神奈川芸術文化財団
Tel. 045-633-3762

 

 

第19回名古屋文化振興賞

 

作品募集
(1)作曲(室内楽)(2)戯曲(3)芸術文化評論の3部門において創作作品を全国公募。応募資格は問わない。各入選作品はそれぞれ舞台演奏、舞台化、作品集刊行というかたちで発表される予定。
[審査員]作曲(室内楽):池辺晋一郎(東京音楽大学教授)ほか/戯曲:酒井洋子(翻訳家・演出家)ほか/評論:清水良典(文芸評論家)ほか
[表彰]入選1点(副賞30万円)・佳作1点(10万円)(各部門共通)
[募集期間]11月8日~29日
[問い合わせ先]名古屋市文化振興事業団
Tel. 052-219-2502

 

 

トピックス

 

新・助成認定制度スタート

 

(社)企業メセナ協議会が認定した芸術活動に対して、企業・個人からの寄付を促す「助成認定制度」の対象範囲が拡大された。(1)芸術のジャンル、(2)芸術家・団体の範囲、(3)活動の内容で、例えば(3)では従来「公演・展示」に限られていた活動が「公演や展示などを伴うコンクールや顕彰事業、調査・研究、セミナー、ワークショップなど」に拡大。民間による芸術支援の一層の広がりが期待される。
[問い合わせ先](社)企業メセナ協議会 Tel. 03-3213-3397

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