一般社団法人 地域創造

公共ホール演劇製作ネットワーク事業報告

●公共ホール演劇製作ネットワーク事業『若草物語』無事公演終了

 財団法人地域創造と全国の公共ホールが、共同で質の高い演劇作品を製作し、その作品を共同製作に参加する各ホールで順次上演していく公共ホール演劇製作ネットワーク事業。平成11年度のモデル事業から今年で3回目となり、この事業の参加団体も年々全国的な拡がりをみせています。平成13年度は財団法人札幌市芸術文化財団が中心となり11団体で共同製作し、21ステージで約7,200名の方々に鑑賞していただきました。

 今回の作品は、海外の名作を日本の物語としてよみがえさせることで定評のある松本修が、ルイザ・メイ・オルコット原作の『若草物語』を、明治時代の札幌に舞台を置き換えたものです。舞台を札幌に置き換えたことで親しみやすい舞台となり、各地で幅広い年齢層から好感を呼びました。現代の日本では崩壊しつつある“家族”というものを改めて考えさせられた人も多かったのではないでしょうか。

◎制作面の分業
 今回は、制作面でもネットワークならではの工夫を凝らしました。これまで制作面全般を1つの公共ホールが担当していたのを、参加ホールで分業。稽古場の提供を世田谷パブリックシアター、公演パンフレット作成を宮崎県立芸術劇場、関連事業を早島町町民総合会館「ゆるびの舎」と作業を分担することにより、単に予算面の協力だけではなく、制作面の協力も図られ実際の舞台づくりへの参画の度合いを強めました。


◎全国展開した「四人姉妹写真展」
 公共ホール演劇制作ネットワーク事業では、作品を鑑賞するとともに、より演劇というものに親しんでもらうための関連事業を実施しています。各地で、演出家によるワークショップや公開仕込み等が行われたほか、四人姉妹のキャストにちなんで全館共通企画として『四人姉妹写真展』を開催しました。
当初、この企画を考えていた頃には、「はたして四人姉妹が揃った写真はあるのだろうか?」「少子化が進み、応募が少ないのでは?」という不安の声がありましたが、各ホールで写真を募集してみると、続々と応募が舞い込み、結果として全国各地から約160点の作品が集まりました。
 写真に添付してもらったエピソードには、「この写真展のために、久々に集まって写真を撮り、改めて家族、姉妹について考える時間がもてました」という微笑ましい姉妹談が多数添えられていました。応募してくださいました方々には、この場をお借りしてお礼を申し上げます。

 

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写真・宮内勝

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◎平成14年度は宮本亜門演出の音楽劇に決定

平成14年度事業につきましては、2001年4月の企画制作準備会議から共同製作作品の選定を行い、沖縄市民小劇場あしびなーが提案した宮本亜門演出による音楽劇に決まりました。沖縄市民小劇場あしびなーをはじめ、15の参加団体が共同製作する予定です。2003年2月の世田谷パブリックシアターを皮切りに、3月の沖縄市民会館まで32ステージを公演します。

 

●公共ホール演劇製作ネットワーク事業に関する問い合わせ
地域創造芸術環境部 碇政幸 Tel. 03-5573-4069

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