一般社団法人 地域創造

アーツセンター情報

九州・沖縄

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●鹿児島県
田中一村記念美術館(奄美パーク)
〒894-0504 鹿児島県大島郡笠利町節田1834
Tel. 0997-55-2333 湊崎展文

 

◎2001年9月30日オープン

奄美の自然や歴史・文化を紹介するテーマパークとして旧奄美空港跡地に整備された奄美パーク内の美術館。奄美を愛した日本画家・田中一村(1908~77)の作品260点中151点を所蔵。パーク園長兼美術館館長はニュースキャスターの宮崎緑氏。水面に浮かぶ3棟の高倉状の特色ある建築で、敷地内には一村が題材にした奄美特有の植物が植えられている。
[施設概要]常設展示室3(各110m2)、企画展示室(185m2)、ガイダンス室、図書資料室
[設置者]鹿児島県
[運営者]奄美群島広域事務組合
[設計者]株式会社佐藤総合計画、三反田藤男設計事務所、有限会社鎌田設計

 

●木造校舎を再利用した「篠山チルドレンズミュージアム」

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 少子化が進み、校区統合などにより廃校になった校舎の転用によって各地にアートセンター、宿泊施設、コミュニティセンターなどが誕生している。篠山市でも、昨年7月に、戦後間もなく建てられた中学校を活用した「篠山チルドレンズミュージアム」が市の東部にオープンし、半年で3万人の来場者を数える盛況となっている。

 この施設は、旧校舎2棟を「子どもグラフィティ棟」(展示スペース中心)と「交流棟」として改装。新たに多目的スペースの「体験シアター」と「ワークショップ棟」を建設し、周囲に残る里山や棚田と併せて有料の体験型ミュージアムにしたもので、総事業費は約18億円。地域住民を含む検討委員会が中学校の跡地利用を議論する中で、「学校だったところだから、子どもたちが楽しく集えるような施設を」との要望が高まり、子どもたちの創造性と生きる力を育む施設として整備されることになった。

 「子どもグラフィティ棟」では、戦後から現代までのおもちゃや学校生活に関する品々など、“子どもの遊びと生活文化”をテーマにした展示が行われ、大人にも十分楽しめる内容となっている。「ワークショップ棟」には篠山の古民具や農具を使ったアート作品のほか、ドライアイス、霧、空気圧などを利用した遊べる造形作品が展示され、子どもたちの人気を誘っている。また、4人のファシリテーターによるさまざまなワークショップも実施されるなど、体験型ミュージアムに相応しいプログラムとなっている。

 「将来のNPO化を睨み、運営には市民に積極的に参画してもらっている」(土井忍室長)という同ミュージアムでは、ボランティア組織「ミュージアムクラブ」を設立。現在、100名を越える会員が、利用者の案内、展示品の修繕や広報などさまざまな分野で活躍している。また、館のテーマである「自然と科学」「食と農」「仕事と職業」に分かれてワークショップを企画する支援部会を組織し、ボランティア主導の多彩なプログラムを月10本以上展開している。
 篠山市は99年に4町が合併して誕生。兵庫県下では神戸市に次ぐ広大な面積を持つ。同施設は市中心部から約10キロ離れた山間部にあるが、市民の車保有率は高く、大きな障害にはなっていないとのこと。総合的な学習の時間の本格施行を見越した学級単位の利用も多く、取材の日には、社会福祉協議会の協力のもと、市内の幼稚園児がお年寄りに劇を披露していた。 

 「隣組ですから」(土井)というように、“母校”を支える地域住民との関わりによって、今後どのような広がりが生まれるか期待される。

 

●篠山チルドレンズミュージアム
[オープン日]2001年7月27日
[所在地]〒669-2513 兵庫県篠山市小田中572
Tel. 0795-54-6000
[施設概要]子どもグラフィティ棟(496m2 展示施設)、交流棟(480m2 地域交流室2、レストラン、ショップ)、ワークショップ棟(1100m2)、体験シアター棟(423m2)
[設置者・運営者]篠山市
[設計者]株式会社カイ・コーポレーション、企業組合総和設計
[オープニング事業]オープン式典

 

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