地域創造と複数の公共ホールが共同で演劇作品を製作する「公共ホール演劇製作ネットワーク事業」の公演がスタートします。今回は11の公共ホールが児童文学としてあまりにも有名なルイザ・メイ・オルコット原作の『若草物語』を共同製作し、1月17日から2月19日まで北は北海道から南は沖縄までの全国12カ所で20ステージを上演します。
今回の『若草物語』は、海外の名作を日本の物語として蘇生することで定評のある松本修が“明治時代の札幌”に設定を置き換えて舞台化した翻訳劇です。原作は、作者オルコットの自伝的要素の濃い作品で、19世紀の半ば、南北戦争を背景に、父や母と共に貧しいながらも家族として助け合いながら健気に生きていく四人姉妹の姿を描いています。現代の日本の家族が失ってしまった“理想の家族の物語”を取り上げることで、失われた家族の肖像が逆にどのように見えてくるのか、乞うご期待です。
また出演者には、木野花、伊東由美子、坂口芳貞、斎藤歩、そして松本修と、演出経験者が勢揃いしています。今回の『若草物語』では、1本のリンゴの樹の下で、おままごとのような家族ゲームが展開します。稽古場でのワークショップの積み重ねで芝居を練り上げていく松本修が、こうした実力派演技人とどんなアンサンブルをつくり出すかが、もう一つの見所です。
今年度の公共ホール演劇製作ネットワーク事業では、地域での人材発掘にも力を入れ、全国5カ所でオーディションを行い、203名の応募の中から西田薫(東京)、金子智実(つくば)、尾形岳之(札幌)の3名が選出さました。この作品での飛躍が大いに期待されいます。
各公演会場では、この事業に関連して、一般から公募した「四人姉妹写真展」を開催します。上演するホールのロビーに写真が展示されますので、お楽しみください。
公演の詳細につきましては、当財団のHPにも掲載しておりますのでご覧ください。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
※当初、長女(西田薫)、次女(黒木美奈子)、三女(金子智実)、四女(裕木奈江)で予定しておりましたが、三女(裕木)、四女(金子)に変更となりました。
『若草物語』
◎公演概要
[原作]ルイザ・メイ・オルコット
[翻案]菅原政雄(北海道北見市在住)
[台本・演出]松本修
[出演]木野花、金沢碧、裕木奈江、坂口芳貞、黒木美奈子、斎藤歩、伊東由美子、松本修 (オーディション)西田薫、金子智実、尾形岳之
[美術]島次郎 [照明]キム・ヨンス [音楽]笠松泰洋 [衣裳]半田悦子 [音響]百瀬俊介 [舞台監督]澁谷壽久
◎公演日程・会場
1月16日~18日:札幌市教育文化会館
(16日はプレビュー公演)
1月20日:鹿追町民ホール
1月22日:洞爺湖文化センター
1月26日~29日:世田谷パブリックシアター
2月1日:小出郷文化会館
2月3日:つくばカピオホール
2月7日:早島町町民総合会館「ゆるびの舎」
2月9日:栗東芸術文化会館さきら
2月12日:アルカスSASEBO
2月13日、14日:北九州市立女性センター
2月16日、17日:宮崎県立芸術劇場
2月19日:沖縄市民小劇場あしびなー
◎問い合わせ
地域創造芸術環境部 碇・内田
Tel. 03-5573-4066
[HPアドレス]