一般社団法人 地域創造

「地域伝統芸能まつり」開催

●「恋(こひ)」をテーマに地域芸能・古典芸能が結集

 巨大太鼓台を担いだ200名近くの男衆がNHKホールの舞台上をところ狭しと練り歩き、大スクリーンには地元での祭りの模様が映し出される。かと思えば、秋田県の民家を再現したセットの中にナマハゲが乱入し、ムツゴロウが主人公になった新作狂言が笑いを誘う──。
 昨年の2月24日、25日の両日、NHKホールで実施された「第1回地域伝統芸能まつり」では、約4時間にわたって「怨霊」をテーマにした8つの地域芸能と7つの古典芸能の熱演が繰り広げられました。計6000名という超満員のお客さまで、「地域の伝統芸能だけでなく、古典芸能から新作まで一度に見られる機会はなく、とても感動した」と大変喜んでいただきました。
「第2回地域伝統芸能まつり」につきまして、多数、お問い合わせをいただいておりましたが、今年は、3月30日、31日に、同じくNHKホールを会場にして開催することが決定しました。
 今年の祭りのテーマは「恋(こひ)」です。自然への愛情、恋いに狂う姿、婚礼の祝い歌、おおらかな性の表現など、古来からさまざまに伝えられている「恋」模様を9つの地域芸能と4つの新・旧古典芸能でお伝えします。公演予定は次頁の通りです。昨年、新作狂言『ムツゴロウ』で高い評価をいただいた梅原猛氏(地域伝統芸能まつり実行委員会委員長)の新作狂言に加え、今年は瀬戸内寂聴氏による新作能が予定されているのが話題となっています。詳細につきましては、募集要項と合わせて2月号のレターでお知らせ致します。

 

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第1回地域伝統芸能まつり(新居浜太鼓祭り)

 神楽、囃子、神輿の巡幸、盆踊り…。こうした伝統的な祭礼や芸能は、日本人のアイデンティティを構成する重要な要素です。しかし、高齢化、過疎化、近代化が進む今、コミュニティの崩壊による担い手の減少で存在が危ぶまれるものが数多くあります。こうした地域の誇りであるはずの祭りや芸能の衰退は、地域社会の荒廃につながりかねません。
「地域が無意識のうちに一生懸命保存してきた自分たちのお祭りを、全国のお祭りと比較して、その意味を確信してもらう」(梅原氏)ことにより、地域住民が郷土を愛し、誇りと親しみをもって地域づくりに取り組む機運の醸成を図りたい、というのが、この事業の目的です。受け継ぐ地域の人々の情熱、伝統の重みと魅力を、実際に体感していただき、日本人のアイデンティティを見直すきっかけとしていただければと思います。

 

プログラム紹介(予定)

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●北海道
「アイヌの古式舞踊」

 

祭事や儀式、日々の暮らしの中で伝承されてきた。手拍子と声にのせて踊るものが多く、自らの気持ちを表現する唄や口琴演奏等も含め、さまざまな歌舞がある。

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山形県櫛引町
「黒川能」

 

黒川能は500年の歴史をもち独特の形と古い様式を綿々と受け継いできた。生活に根ざした貴重な民俗芸能である。今回は、上座が「道成寺」を演じる。

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長野県阿南町
「新野の雪祭り」

 

“豊年予祝の仮面祭”ともいわれ、1月13から15日にかけて夜を徹して伊豆神社に奉納される。作物の豊作を祈願し、安産や妊娠にまつわる舞も行われる。

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●島根県益田市
「石見神楽」

 

古事記や日本書紀等の物語や伝説から演目の題材の多くを取り入れている石見神楽。きらびやかな衣装と夜を徹して行われる神楽はこの地方独特のもの。

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●鹿児島県名瀬市
「奄美の島唄・六調」

 

奄美地方で古来より祭りや行事等の際にも唄われてきた島唄。低い声で唄い始め、宴の盛り上がりとともにキーを上げていき最後は六調で熱狂的に乱舞する。

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●秋田県横手市
「梵天」

 

梵天とは幣束のことで、毎年2月17日に豊作を祈願する行事。ハンテンを着た若者が、ほら貝を吹き鳴らし旭岡山神社の本殿に大型の梵天を突き立てる。

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●富山県八尾町
「越中おわら節」

 

9月1日~3日の3日間、数千のぼんぼりとまん幕で飾られた町内を三味線と胡弓の調べに合わせ、法被や浴衣に編笠姿の老若男女が五穀豊穣を願い練り歩く。

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●京都壬生寺
「壬生狂言」

 

壬生寺の中興の祖、円覚上人が仏の教えを庶民に説くためパントマイムで伝道したのが始まりとされ、金鼓(ごんぐ)や太鼓、笛の囃子に合わせ全くの無言で演じられる。

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●熊本県山鹿市
「山鹿灯籠踊り」

 

毎年8月15日、16日に行われ、室町時代から続くまつり。和紙と糊だけで出来た金灯籠を頭に載せた女性たちが浴衣姿で「よへほ節」の唄に合わせて優美に踊る。

◎古典芸能
「地域伝統芸能まつり」では、日本各地の伝統芸能とともに、新作を含めたさまざまな古典芸能をお楽しみいただけます。第2回のテーマである「恋(こひ)」の中から特に男女の営みを題材としたさまざまな演目が登場します。新作狂言『クローン人間・ナマシマ』(作:梅原猛 出演:茂山千作、茂山千乃丞ほか)、文楽『曾根崎心中』(出演:吉田玉男、吉田箕助)、浪曲『藤十郎の恋』(春野百合子)、新作能『夢浮橋(ゆめのうきはし)』(作:瀬戸内寂聴 演出:梅若六郎、山本東次郎 出演:梅若六郎、金剛永謹、梅若晋矢ほか)など豪華出演者による至芸をご堪能ください。
※都合により演目が変更となる場合がございます。

 

●「第2回地域伝統芸能まつり」
[日程]2002年3月30日、31日
[会場]NHKホール(東京都渋谷区)
[主催]地域伝統芸能まつり実行委員会
[共催]財団法人地域創造
[後援]総務省、文化庁、NHKほか
●地域伝統芸能まつりに関する問い合わせ
 地域創造総務部事業課 菊地健一
 Tel. 03-5573-4056

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