一般社団法人 地域創造

アーツセンター情報

北陸・中部

 

●岐阜県高山市

arts-1.jpg

飛騨・世界生活文化センター

〒506-0032 高山市千島町900-1
Tel. 0577-37-6111 水野智裕

 

◎7月26日オープン

 

イベントコンベンション施設や飛騨地域の生活文化をテーマとしたミュージアムなどを有する複合施設として高山市郊外に整備。多目的ホール「飛騨芸術堂」はコンサートのほか国際会議などさまざまに利用。大規模な多目的アリーナ「飛騨コンベンションホール」は見本市など展示イベントはもとより音楽・芸能公演に対応。産業振興や観光客誘致など地域経済の活性化と文化活動による地域活動や地域間交流の拠点となる。

[オープニング事業]オーケストラ・アンサンブル金沢公演ほか
[施設概要]飛騨コンベンションホール(2000人・1960m2)、飛騨芸術堂(ホール 500席)、ミュージアム温故知新、会議室(3室)、企画展示室(551m2)、レストラン
[設置者]岐阜県
[運営者]財団法人岐阜県産業文化振興事業団
[設計者]芦原建築設計研究所

 

●岩手県初の県立美術館がオープン

arts-2.jpg

雫石川をはさんで、盛岡駅の対岸にある盛岡市中央公園内に、約10年の構想を経て岩手県初の大規模美術館「岩手県立美術館」がオープンした。中央公園は市と県が市民に親しみのある文化ゾーンとして整備をすすめているエリアで、園内にはすでに、市の先人記念館、子ども科学館が立地し、アイスアリーナなども隣接している。

景観に配慮した建物は、背景の岩手山や緑の芝生と調和する緩やかな曲線を生かした低層建築で、外光を採り入れた2層吹き抜けのエントランスホールには長い回廊が設けられるなど、ゆったりとした空間となっている。

コレクションの大半は、これまで県立博物館で収集・展示してきた郷土ゆかりの近・現代美術作家の作品・資料を引き継いだもので、新たに収集した作品を合わせて、約3500点(デッサン、資料等含む)。特に、郷土作家の紹介に力を入れ、岩手県を代表する画家の萬鐵五郎(1885~1927)、松本竣介(1912~48)、彫刻家の舟越保武(1912~)については特別展示室を設けている。

また、岩手県ならではの工芸品として南部鉄器とその流れをくむ名匠・造形作家の作品の収集にも力を入れ、美術作品にまで高められた3代高橋萬治、13代鈴木盛久の大正・昭和期の壺や釜のほか、さまざまな鋳金の造形作品を展示している。

企画展は年間5~6本程度で、今年は、10月6日からスタートした開館記念の「メルツバッハー・コレクション展」(スイスの有名な収集家の収蔵品展で印象派、フォーヴィズム、ドイツ表現主義の第一級の作品が並ぶ)、12月からはモネ晩年の作品約30点を集めた「モネ展 睡蓮の世界」の2本を開催する。

近年、公立文化施設で話題となることの多い教育普及活動については、教員や専門家から成る「美術館教育プログラム研究会」の助言を得ながら職員が企画しており、教育現場との連携を視野に入れた取り組みを志している。月3回程度実施するワークショップや美術館探検では、親子を対象にした「アート・デ・オヤコ」、美術作品にも触れる「美術館探検隊サワレンジャー」などが行われ、募集と同時に定員が埋まる人気プログラムになっている。

年間3クラス(幼稚園、小・中学校各1)で行う「学校を出よう」では、教員との事前打ち合わせを重視した独自カリキュラムを作成。第1回では盛岡市立米内幼稚園の園児20人を美術館に招き、学芸員の指導で色彩をテーマにしたプログラム(大きな紙に蛍光絵の具などを素手でペイントし、色と光を体感)を実施した。

来館者は開館当初3日間で5千人。「どこの美術館も来館者が逓減傾向にあり苦慮しているのが現状。魅力ある企画展と定期的に常設展の展示替えを図り、リピーターの確保に努めたい」(佐々木英也館長)とのことだが、レストランやギャラリーショップも充実し、盛岡駅と直結する都市計画道路も予定されているなど、立地を生かした観光施設としての期待も大きい。県下初の大規模公立美術館として、どのような役割を果たしていくか、これからが正念場だろう。

 

●岩手県立美術館

[オープン日]10月6日
[所在地]〒020-0866 岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
Tel. 019-658-1711
[設置者]岩手県
[運営者]岩手県・財団法人岩手県文化振興事業団
[設計者]株式会社日本設計
[施設概要]企画展示室(1223m2)、常設展示室(839m2)、萬鐵五郎展示室(372m2)、松本竣介・舟越保武展示室(753m2)、ライブラリー、ホール、スタジオ(創作工房)、アートスペース、レストラン、ミュージアムショップ
[オープニング事業]企画展「色彩の歓び―メルツバッハー・コレクション展」

カテゴリー