一般社団法人 地域創造

リージョナルシアター・シリーズ

全国から若手実力派劇団をラインナップ

 全国各地の若手・実力派劇団を紹介する「リージョナルシアター・シリーズ」が、今年も10月30日~11月21日にかけて、東京芸術劇場ほか都内劇場で開催されます。
 このシリーズは、地域創造と東京国際舞台芸術フェスティバルとの共催により1999年にスタート。出演劇団については、各地の公立劇場などから公募した推薦をもとに決定しています。3年目を迎える今年は、北は北海道から南は沖縄まで5劇団が登場。今号では、今年の見どころと、関連事業「リージョナルシアターズ・ミーティング」について詳しくご紹介します。

 

●今年の見どころ

 今年は、21世紀の幕開けに相応しく、全国から若手成長株で勢いにのる劇団が揃いました。シリーズの先陣を切るスクエア(大阪)は、結成5年目ながら、シチュエーション・コメディの新たな担い手として関西で人気急上昇の大成長株です。
 そして注目は、若手女性陣の活躍です。まずは、スタッフ・キャスト全員が女性という芝居屋坂道ストア(神戸)。作家・演出家である代表の角ひろみは、震災をテーマにした『あくびと風の威力』で第4回日本劇作家協会新人戯曲賞佳作を受賞。同作を携え2001年2月に敢行した下北沢公演では、東京初公演ながら700人を動員しました。勢いにのる彼女たちの新作に期待が高まります。そして今回沖縄から初参加となる演劇企画魚の目(沖縄)は、渡辺奈穂(演出家)を中心に98年に結成されたプロデュース集団。沖縄の現代の若者をリアルな感覚とコトバで切り取った作品が支持を集めています。

 そのほか、実力をつけてきた北海道演劇財団附属劇団であるTPSが、札幌若手劇団のトップランナー、北川徹を作・演出に起用するのも話題です。

 若手勢の中にあって、渋い演技でシリーズ全体を引き締めてくれそうなのが、伊沢勉の会(名古屋)です。プロジェクト・ナビの看板俳優で劇作家の伊沢勉を中心にしたユニットで、今回は伊沢が愛知県文化振興事業団が主催する第1回AAF戯曲賞で佳作を受賞した作品での参加となります。

 

●ミーティングのテーマは「共同製作」

 会期中10月30日には、各地の公立ホール・劇場の担当者を対象にした「リージョナルシアターズ・ミーティング」を開催します。

 この企画は、地域で活躍する劇団と全国のホール・劇場関係者の交流・情報交換の場として開催するもので、今年のテーマは「共同製作~作品づくりのためのネットワークについて考える」(仮)です。

 最近、情報交換や共同招聘といったネットワークにとどまらず、公立館同士が本格的に手を組み作品製作に取り組むネットワークが模索されつつあります。ミーティングでは、劇場サイド、表現者サイドがこれからの地域間共同製作を考えるバトルトークを展開します。関心のある方はどなたでも参加できますので、担当までお問い合わせください。

●リージョナルシアターズ・ミーティング

[日時]10月30日(火) 13:30~17:45
[会場]東京芸術劇場中会議室
[参加費]無料
[参加方法]要申込み。申込み用紙をお送りしますので、お問い合わせください。

◎セッション1(13:30~15:00)

「共同製作(1) 公立ホールが考えるネットワーク」
照屋幹夫(沖縄市民劇場あしびなー)
岡野亜紀子(神戸アートビレッジセンター)
ほか

◎セッション2(15:15~16:45)

「共同製作(2) アーティストが考えるネットワーク」
長谷川孝治(弘前劇場代表)
泊篤志(飛ぶ劇場代表) ほか

◎フリーディスカッション(16:45~17:45)

※パネリストは変更になる場合があります。

 

●東京芸術劇場小ホール1

●スクエア「俺の優しさ」(大阪)

[日程]10月30日(火)~11月1日(木)
[作]森澤匡晴
[演出]上田一軒
[舞台美術]柴田隆弘
[照明]池田哲朗
[音響]三好里美
[舞台監督]松下清永
[制作]伊藤恭子
[出演]北村守、奈須崇、上田一軒、森澤匡晴、松蔵宏明、重定礼子(南河内万歳一座)

 

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『俺の優しさ』

◎1996年、上田一軒、森澤匡晴により結成。現在メンバーは男性4人。脚本を森澤、演出を上田が担当し、一貫して市井の人間の生活を素材に一幕もののコメディを上演している。関西小劇場界でシチュエーション・コメディの新たな担い手として人気急上昇中の劇団。

◎問い合わせ スクエア Tel. 090-1274-7756

 

芝居屋坂道ストア「サイダァーの渚~マイナス10000℃の夏」(神戸)

[日程]11月3日(土)、4日(日)
[作・演出・衣裳]角ひろみ
[舞台監督]永易健介
[照明]吉本有輝子
[音響]佐藤真弓
[音楽]大木なつ美
[制作]近藤のり子、大木なつ美
[出演]角ひろみ、大木なつ美、日名子知佐、本多真理、末満健一(アプリコット)

 

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芝居屋坂道ストア

◎1995年、宝塚北高校演劇科OGが集まり旗揚げ。富良野塾で学んだ角ひろみを座長に、役者・スタッフともメンバー全員が女性。角ひろみは、98年、阪神大震災と少女たちを描いた『あくびと風の威力』で第4回日本劇作家協会新人戯曲賞佳作を受賞した。

◎問い合わせ OFFICE坂道 Tel./Fax. 0722-52-1726

 

●伊沢勉の会「お父さんの旗日」(名古屋)

[日程]11月7日(水)、8日(木)
[作]伊沢勉
[演出]竹下喜六
[舞台美術]永井優二
[舞台監督]土居辰男
[照明]安藤昇益
[音響]細川ひろめ
[制作]小林隆朗
[出演]小林正和、伊沢勉、木村庄之助

 

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『お父さんの旗日』

◎名古屋を代表する劇団プロジェクト・ナビの看板俳優であり、劇作家としても活躍する伊沢勉を中心に1992年に結成されたユニット。伊沢作品の上演を軸に、名古屋、大阪で公演を重ねる。2000年に伊沢が『お父さんの旗日』で愛知県文化振興事業団が主催する第1回AAF戯曲賞佳作を受賞。

◎問い合わせ プロジェクト・ナビ Tel. 052-807-2540

 

●演劇企画魚の目「Sparkling Days.」(沖縄)

[日程]11月10日(土)、11月11日(日)
[作]金城裕樹
[演出]渡辺奈穂
[音響]小越友也
[照明]嘉数貞夫
[舞台装置]真栄平仁
[制作]上田真弓
[出演]前田尚子、知念小枝子、O.Z.E/我那覇孝淳、和宇慶咲輝、熱田裕一、上間了一、金城理恵ほか

 

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『Sparkling Days.』

◎1998年、渡辺奈穂、上田真弓の2名でスタート。現代の沖縄で、より面白く刺激的な、上質のエンターテイメントを企画・創作していくことを目的とした集団。現代の沖縄の若者を、リアルな感覚とコトバで切り取った作品が支持を集めている。

◎問い合わせ 演劇企画魚の目 Tel. 098-886-6880

 

●シアタートラム

●TPS「遊園地、遊園地。」(札幌)

[日程]11月20日(火)、11月21日(水)
[作・演出]北川徹
[舞台監督]熊倉英記
[照明]吉澤耕一
[音響]大江芳樹
[制作]平田修二
[出演]山野久治、中田春介、大橋哲郎、木村洋次、柴田智之、宮田圭子ほか

 

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『遊園地、遊園地。』

◎1996年、北海道演劇財団設立と同時に、附属演劇集団「シアタープロジェクトさっぽろ(略称TPS)」として結成。札幌を拠点にプロフェッショナルな演劇創造を目指す。今回作・演出に起用された北川徹は、ロンドンマイムスクールでパントマイムを学んだ後、96年、横尾寛とともに札幌でHAPPを旗揚げ。何気ない会話の中に秘めた重層的な世界観が高く評価されている札幌若手劇団の旗手。

◎問い合わせ 北海道演劇財団 Tel. 011-520-0710

 

●リージョナルシアター・シリーズ

[チケット料金]
前売2500円・当日2800円
5演目セット券 8000円
[チケット取り扱い]
チケットぴあ:Tel. 03-5237-9999
E-mail:ticket@mbi.nifty.com
各劇団(上記)

 

●リージョナルシアター・ミーティングに関する問い合わせ

財団法人地域創造芸術環境部
宮地・齋藤 Tel. 03-5573-4065

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