関 東
●栃木県馬頭町
馬頭町広重美術館
〒324-0613 那須郡馬頭町馬頭116-9
Tel. 0287-92-1199 郡司正幸
◎11月3日オープン
江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川広重のコレクションを中心とした美術館。広重の肉筆画や版画を収集した青木藤作(栃木出身)の「青木コレクション」の寄贈を機に建設された。「墨堤二美人逍遙図」(肉筆画)、「東海道五拾三次之内 三島 朝霧」(版画)ほかの名品を含む広重作品を約250点所蔵し、そのうち約50点は肉筆画。広重の肉筆画をこれほど多く所蔵している美術館は他になく、開館記念展では、「広重肉筆画名作展」を予定している。今後、コレクションを核に、浮世絵をテーマとした企画展や講演会などを開催予定。建物は平屋建てで、切妻の大屋根を採用。広重の作品と調和する落ちついた外観が特徴となっている。
[オープニング事業]「広重肉筆画名作展─青木コレクションを中心に─」(11月3日~12月3日)
[施設概要]展示室1(78.32m2)、展示室2(288.86m2)、レストラン、ミュージアムショップほか
[設置者]馬頭町
[運営者]馬頭町教育委員会
[設計者]隈研吾建設都市設計事務所
北陸・中部
●石川県小松市
宮本三郎美術館
〒920-0904 小松市小馬出町5
Tel. 0761-20-3600 廣田・橋
◎11月1日オープン
昭和画壇に大きな業績を残した小松市出身の洋画家、宮本三郎の画業を顕彰する美術館。建物は、1886年に建築された木造石張りの旧北陸倉庫を美術館として再生したもの。計画に当たっては、全国規模での設計提案競技を実施。508件にのぼる応募案から、すべて公開による審査を行い、話題を呼んだ。今後、宮本三郎の作品の展示・研究に加え、氏と同時代に活躍した画家の紹介も行っていく予定。
[オープニング事業]「宮本三郎~故郷にみる 実り豊かな軌跡~」(11月1日~26日)
[施設概要]展示室1(178.61m2)、展示室2(132.79m2)、講義室、情報コーナーほか
[設置者]小松市
[運営者]小松市教育委員会
[設計者]株式会社ティー・エイチ・ティー・アーキテクツ
●野外美術館「霧島アートの森」
10月12日、鹿児島県の霧島山系・栗野高原に野外美術館「霧島アートの森」がオープンした。霧島連山を臨む13ヘクタールの敷地に、草間彌生、アントニー・ゴームリー、チェ・ジョンファなど国内外の現代アート作家の作品が点在。雄大な自然と、充実した現代アートのコレクションが楽しめるとあって人気を呼んでいる。
オープニング企画では、アートの森の特徴を生かしたさまざまなワークショップが開催された。その一つ、「子どもアート会議」では、子どもから大人まで約80名が、スケッチブックを片手に藤浩志(美術作家)らとアートの森めぐりを楽しんだ。「子どもたちが作品に乗ってお互いをスケッチしたりして、本当に楽しそうでした」(霧島アートの森・ 元良太)。今後も、こうしたワークショップが定期的に開催されるほか、随時参加できる探検クイズや園内ツアーなどの企画も用意されている。
年間入場者数を5万人と見込んでいたところ、オープン3週間で2万人を突破した。「地元の方も喜んでくれて、嬉しい悲鳴です。でも、これからが正念場。来春の特別 企画展や、夏の親子アートキャンプなど、今後の企画に力を入れていきたいですね」(●元)。霧島の自然散策と併せ、四季折々出かけたい美術館になりそうだ。
●霧島アートの森
〒899-6201 姶良郡栗野町木場6340-220 Tel. 0995-74-5945
◎10月12日オープン コレクションのコンセプトは「第2次世界大戦後以降に発表された国内外の立体作品」。
特に、中国、韓国、インドといったアジアの現代アート作品の収集に力を入れる。野外展示は20作家57点。屋内展示室(アートホール)もあり、常設展示のほか、年2回の企画展が開催される。 [設置者]鹿児島県 [運営者]鹿児島県文化振興財団