一般社団法人 地域創造

アートアプローチセミナーレポート

 地域創造では、市区町村長や、自治体の幹部職員を対象に、芸術文化を地域づくりに生かすための研修「アートアプローチセミナー」を開催しています。今年は、7月に市区町村長・助役・収入役の方を対象にしたセミナー、8月には、自治体の財政・企画等を担当している幹部職員の方を対象にしたセミナーを開催しました。

 

◎市区町村長セミナー

 市区町村長セミナーでは、NHK解説委員の田村孝子氏、劇作家・東亜大学学長の山崎正和氏の講演を行いました。田村氏には、海外のコンサート会場の映像を交え「感動のおくりもの」と題して語っていただき、参加されていた自治体トップの皆さんも「感動」の大切さについて再確認したようです。また、山崎氏には、地域における文化行政の現状についての多くの事例をあげ、方向性を示していただき、たいへん参考になったという意見が多数寄せられました。

 

◎幹部職員セミナー

 幹部職員セミナーは2日間の日程で、ワークショップあり、コンサートあり、グループ討論ありの非常に盛りだくさんな内容となりました。作曲家の坪能克裕氏を講師に迎えた初日の音楽ワークショップは、多くの参加者が初めての体験であったため、最初は緊張していたようですが、次第にほぐれ、最後には見事に作曲にも挑戦。公共ホール音楽活性化事業登録アーティストによるレクチャーコンサートでは、普段は忙しくてなかなかコンサートに行けないという参加者の皆さんからも、生の演奏にとても感激したとの感想が寄せられました。 また、片山泰輔氏(東京財団研究員・関西学院大学客員助教授)、熊倉純子氏(社団法人企業メセナ協議会プログラム・ディレクター)、衛紀生氏(演劇評論家・舞台芸術環境フォーラム代表)ら講師の方に「いかに芸術文化を生かして地域づくりにつなげていくか」についてレクチャーいただき、それを踏まえグループ討論に取り組みました。討論では、2日間のセミナーのまとめとして、今後の文化行政の目標、進むべき方向性について、白熱した討論が展開されました。

 

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 2つのセミナーを通じて、参加者の皆さんから「文化による地域づくりに意欲が湧いてきた」「新鮮で既成概念が覆えされた」との意見をいただくことができました。文化行政の今後のあり方、方向性を改めて問い直すきっかけになったのではないでしょうか。

 

●アートアプローチセミナー概要

 

【市区町村長セミナー】

[日程]7月27日、28日

[会場]全国市町村国際文化研修所 

[講演]「感動のおくりもの」田村孝子(NHK解説委員)/「地域と芸術文化の現段階」山崎正和(劇作家・東亜大学学長)

 

【幹部職員セミナー】

[日程]8月24日、25日

[会場]文京シビックセンター

[講演]「自治体による芸術支援の理論的根拠」片山泰輔(東京財団研究員・関西学院大学客員助教授)/「企業メセナとのパートナーシップ構築に向けて」熊倉純子(社団法人企業メセナ協議会プログラム・ディレクター)/「21世紀の公共文化施設とその社会的役割」衛紀生(演劇評論家・舞台芸術環境フォーラム代表)  [音楽ワークショップ]「音を楽しむ」坪能克裕(作曲家・サンシティ越谷市民ホール芸術監督)  [レクチャーコンサート]公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト:長谷部一郎(チェロ)、白石光隆(ピアノ)、田中靖人(サックス)

 

●研修交流事業に関する問い合わせ
地域創造芸術環境部 研修交流担当 鐘ヶ江・山口 
Tel. 03-5573-4067

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