一般社団法人 地域創造

「リージョナルシアター・シリーズ」公演概要

10月19日~31日 東京芸術劇場

 10月、いよいよ東京芸術劇場(東京・池袋)を会場に「リージョナルシアター・シリーズ」の公演が始まります。このシリーズは、10月19日から31日までの2週間、地域を拠点に活動し全国的にも注目を集める7劇団の連続公演を行うというもの。地域創造と東京国際舞台芸術フェスティバル'99実行委員会の共催により、今年度からスタートする新企画です。会期中には、出演劇団の主宰者によるセミナーも開催されます。今号では、その出演劇団とセミナーについて詳しくご紹介します。各地で話題の劇団が一度に観れるまたとない機会です。皆様のご来場、ご参加をお待ちしています。

 

●今、地域の劇団が面白い

 

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 最近、演劇の分野では各地で新しい才能・作品が生まれ、かつて“東京一極集中”といわれてきた構図に変化が起こりつつあります。特に関西出身の若手劇作家・劇団が注目を浴び、各戯曲賞や演劇賞の受賞者・団体をみてもその傾向は顕著なものとなっています。

 そうした状況を踏まえ、地域を拠点としながら、全国的な実力を持ち、今後が期待される劇団を紹介しようと企画されたのが「リージョナルシアター・シリーズ」です。

 

 出演劇団は、各地のホール・劇場から寄せられた推薦をもとに決定。今年は、弘前劇場(青森)、劇団カタコンベ(新潟)、劇団ジャブジャブサーキット(岐阜)、MONO(京都)、199Q太陽族(大阪)、桃園会(伊丹)、飛ぶ劇場(北九州)の7劇団が登場します。第42回岸田戯曲賞受賞作品「うちやまつり」を東京で初めて上演する桃園会をはじめ、いずれも自信作・意欲作をもっての東京公演となります。

 

●主宰者が語る「リージョナルシアターズ・ミーティング」

 

  10月26日には、出演劇団主宰者ほか多彩なゲストを迎えたセミナー「リージョナルシアターズ・ミーティング」も開催されます。
  青森県の浪岡町に稽古場を持ち、弘前市で定期公演を行う弘前劇場。主宰の長谷川孝治氏は、地域の「豊かな時間と空間」がその創造活動には不可欠だと言います。「ミーティング」では、4つのセミナーを開催し、長谷川氏ほか6劇団主宰者が直接、彼らの創造活動やその街、劇場との関係を語ります。

 

今後、地域のホール・劇場が、東京の“受け皿”としてだけでなく、文化拠点として機能するためには、地域を拠点とするアーティストとの関係づくり、育成が不可欠です。そうした関係づくりのための論議を深める場として、是非この「ミーティング」へご参加ください。

 

●リージョナルシアターズ・ミーティングプログラム

 

[日時]10月26日(火) 11:00~18:10
[会場]東京芸術劇場5階 中会議室

 

◎セミナー1 11:00~12:30
「なぜ、弘前を拠点にするのか?~弘前劇場の戦略」
長谷川孝治(弘前劇場代表・劇作家・演出家)

 

◎セミナー2 13:20~14:50
「演劇祭を検証する~その役割と課題」
泊篤志(飛ぶ劇場代表・劇作家・演出家)
はせひろいち(ジャブジャブサーキット代表・劇作 家・演出家)
司会:平田オリザ(青年団代表・劇作家・演出家)

 

◎セミナー3 15:00~16:30
「関西演劇事情~なぜ、今関西から才能が生まれるのか?」
岩崎正裕(199Q太陽族代表・劇作家・演出家)
土田英生(MONO代表・劇作家・演出家)
深津篤史(桃園会代表・劇作家・演出家)
司会:小堀純(「劇の宇宙」編集長)

 

◎セミナー4 16:40~18:10
「10年後どうなる?公立ホールと劇団・演劇の関係性」
衛紀生(演劇評論家、舞台芸術フォーラム主宰)
鴻上尚史(第三舞台代表・劇作家・演出家)
平田オリザ(青年団代表・劇作家・演出家)

 

◎参加費 無料

 

◎参加方法
所定の申込書にご記入の上、ファックスにてお申し込み下さい。各セミナーとも、定員(50名)になり次第締切とさせていただきます。

 

●リージョナルシアター・シリーズ
[入場料金]全公演共通 前売 2,800円、当日 3,000円
[チケット取扱い] チケットぴあ/Tel. 03-5237-9988 各劇団(チラシ参照)
[共通チケット]3演目6,900円 3劇団以上ご覧になる場合、お得な割引チケットがあります。お申し込みは下記まで。

 

○東京国際舞台芸術フェスティバル
Tel. 03-5456-8280
[会場]東京芸術劇場小ホール1,2
JR・地下鉄「池袋」駅西口より徒歩3分
Tel. 03-5391-2111

 

●リージョナルシアター・シリーズに関するお問い合わせ
財団法人地域創造 宮地 Tel. 03-5573-4065

 

●「リージョナルシアター・シリーズ」出演劇団
  <東京芸術劇場 小ホール 1>

 

MONO (京都)
『ー初恋』
1997年に初演され、好評を得た作品を再演。
[作・演出]土田英生 [出演]水沼健、一色正春、尾方宣久、土田英生、西野千雅子、増田記子 [日程]10月19日(火)~21日(木)

 

◎劇団プロフィール
89年、立命館大学の演劇サークル「立命芸術劇場」のOBにより「B級プラクティス」として旗揚げ。91年、劇団名を「MONO」と改名。京都を拠点とし、関西を中心に公演活動を行っている。

 

桃園会 (伊丹)
『うちやまつり』 
第42回岸田戯曲賞受賞作を上演。東京では初めての公演。
[作・演出]深津篤史 [出演]江口恵美、亀岡寿行、藤野節子、松蔵宏明、はたもとようこ、荒木千童ほか [日程]10月23日(土)~25日(月)

 

◎劇団プロフィール
92年、主宰深津篤史を中心に結成。旗揚げメンバーが3人だったことから、三国志の桃園の誓いにちなみ桃園会(とうえんかい)と命名。大阪を拠点とし、関西を中心に公演活動を行っている。

 

飛ぶ劇場 (北九州)
『IRON(アイアン)』 
日本劇作家協会新人戯曲賞受賞後、泊篤史初の書き下ろし。
[作・演出]泊篤志 [出演]つかのみき 寺田剛史、北村加奈子、桑島寿彦、内山ナオミほか [日程]10月29日(金)~31日(日)

 

◎劇団プロフィール
87年、地元大学演劇部の現役、OBを中心に結成。北九州を拠点に活動。92年には、福岡のイムズホールが主催する「イムズ芝居」最優秀劇団。北九州演劇祭に第1回から参加。

 

<東京芸術劇場 小ホール 2>

 

劇団ジャブジャブサーキット (岐阜)
『ダブルフェイク』
主宰はせひろいちの新作。
[作・演出]はせひろいち [出演]栗木己義、世一嘉津男、荘加真美、一色忍、咲田とばこ [日程]10月19日(火)~21日(木)

 

◎劇団プロフィール
84年、岐阜大学OBを中心に旗揚げ。岐阜の「舞台実寸で建て込みと、朝まで稽古ができる稽古場」を拠点に、名古屋、東京、大阪で公演。93年池袋演劇祭優秀賞。95年、97年にシアターグリーン賞。

 

弘前劇場 (青森)
『家には高い木があった'99』 
94年に初演された弘前劇場の代表作の再演。俳優の加齢に合わせて大幅に書き直した新バージョン。
[作・演出]長谷川孝治 [出演]福士賢治、後藤伸也、畑澤聖悟、木場勝己、長谷川等ほか [日程]10月23日(土)、24日(日)

 

◎劇団プロフィール
78年、旗揚げ。浪岡町に稽古場を持ち、弘前市の「スタジオ・デネガ」で定期公演を行う。上演作品はすべて主宰の長谷川孝治が作・演出。

 

劇団カタコンベ (新潟)
『あなたから逃げていく街に漂う煙について』
今年5月に新潟で上演し好評を博した作品を再演。
[作・演出]戸中井三太 [出演]小川裕子、戸中井三太、正治大典、谷藤幹枝 [日程]10月25日(月)、26日(火)

 

◎劇団プロフィール
85年、新潟大学演劇研究部有志により結成。89年より、新潟市内にアトリエを構え、本格的に活動。

 

199Q太陽族(大阪)
『永遠の雨よりわずかに速く』
結成10年を迎えた劇団の新たな起点となる新作。
[作・演出]岩崎正裕 [出演]工藤俊作、森本研典、岸辺孝子、南勝、篠原裕紀子、三上剛ほか [日程]10月29日(金)~31日(日)

 

◎劇団プロフィール
大阪芸術大学舞台芸術学科生による「劇団大阪太陽族」(82~86)の活動を経て、1990年旗揚げ。大阪を拠点とし、関西を中心に公演。

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