一般社団法人 地域創造

新常務理事あいさつ

●常務理事が新しく替わりました

 

 「自治省の企画室長時代には、地域主導のまちづくりを進めてきましたが、ちょうどふるさと創生で日本各地にホールや美術館などの文化施設ができていた頃で、こうしたハードの整備だけでなく、文化事業などのソフトも進めようということで、公立美術館での巡回展などを企画しました。舞台芸術などについては、当時、自治総合センターが所管していましたが、文化・芸術のまちづくりを積極的にすすめるために、この財団が設立された訳です。今回、こちらに来ることになり、何か因縁めいたものを感じています。

 

 私は、もともと都市計画を専門と考え、自他ともに自治省のまちづくり屋として、どちらかというとハードなまちづくりを中心にやってきたような気がしますが、これからの仕事は、ソフトなまちづくりをする、ということかなと思っています。また、ここ十年程は、ずっと中国などアジアとの交流に力を入れてきまして、自治体の卓球チームと中国に行った時は、自治省では私だけではと自慢しているのですが(笑)、人民大会堂で乾杯の音頭をとりました。岡山の副知事時代にも中国、韓国、インドネシアなどとの交流をやってきました。この財団もアジアとの文化交流をお手伝いすることが視野に入っていると聞きましたので、そうした方面にも関心をもっています。

 

 この春、10年ぶりにアメリカに遊学して、都市開発の最新事情を見てきました。公民連携(Public Private Partnership)という枠組みで行政・民間・市民セクターが協力して、素敵なまちづくりを進める具体例を沢山見て、とても勉強になりました。日本でも、今後、もっと地方分権や規制緩和が進むと、自治体・民間・市民団体などが中心になった、アメリカ流の成熟したまちづくりが増えると思います。ハードなまちづくりからソフトなまちづくりへの移行も、こうした成熟したまちづくりへの第一歩ではないでしょうか」

 

 

●澤井安勇(さわいやすお)
1944年生まれ。東大工学部卒、工学博士。岡山県副知事、消防庁次長を経て、1998年3月自治省退官。同年7月から財団法人地域創造常務理事。

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