今年も夏のフェスティバルシーズンがやってきました。恒例となった夏のフェスティバル・野外企画の特集ですが、今年は夏休み子ども企画情報も加え、増ページでお送りします。
●地域が育てた2つのフェスティバル
今年、長野県飯田市の「人形劇カーニバル飯田」が20周年を迎えます。今や日本で最も大きい人形劇フェスティバルに成長しました。今年は「世界人形劇フェスティバル」を併せて開催、350を超える世界の人形劇団が集まります。このカーニバルを支えているのは約2000人の市民ボランティア。会期中には、街中の商店街のショーウインドーに人形が展示され、お祭り気分を盛り上げます。
同じく、飯田で開催されている「アフィニス夏の音楽祭」 も今年10周年。この音楽祭は、プロのオーケストラの若手団員に研鑽の場を提供すべく開催されているセミナー&コンサートです。人形劇とクラシック、一見関係なさそうですが、実は、人形劇カーニバルが開催されている飯田市の雰囲気をみて、音楽祭を飯田で開催する話が生まれたそうです。今年は10周年を記念して、世界のトップクラスの演奏家と国内24の楽団から集まった若手演奏家によりフル・オーケストラを特別編成。世界的なチェロ奏者として知られるM.ロストロポーヴィッチを指揮に迎え、オーケストラコンサートが開かれます。
●参加型企画が盛りだくさんの夏の美術館
夏休み、参加型のワークショップや、子どもを対象とした展覧会が各地の美術館で開催されます。先行するいくつかの館を除くと、全国の美術館で、こうした企画が開催されるようになったのはここ5、6年のこと。企画の内容も、「作品を分かりやすく解説する」といったスタイルではなく、作家とともに制作するワークショップや、ゲーム方式での美術探検など、自由な目線で美術と遊んでしまおう!というような企画が多いのが特徴。各館独自の企画が目白押しで、東京の世田谷美術館では、子ども達が館蔵品を使って実際に展覧会を制作するそうです。
一方、ホール・劇場の夏休み子ども企画といえば、肩の凝らない「ファミリーコンサート」が主流でしたが、最近ではプロデュース公演やワークショップ、バックステージツアーなど、ヴァリエーションも多くなってきました。夏休みの体験をきっかけに、その後も足を運んで欲しい、というのが美術館、ホール共通の願い。今年の夏休み、どんな美術館やホールが子どもたちにとって「忘れられない場所」となるのでしょうか?