一般社団法人 地域創造

平成10年度芸術提供・共催事業紹介

平成10年度芸術提供・共催事業スタート

4分野、6事業を全国各地で開催

 

 新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートを皮切りに、いよいよ今年度の芸術提供・共催事業がスタートしました。今年度は、音楽、演劇・ダンス、伝統芸能、美術の4分野で6事業が全国各地で実施されます。近隣の地域の方はぜひご覧ください。

 

 芸術提供・共催事業とは、地方公共団体等が主催する地域のニーズを踏まえた質の高い音楽、演劇、伝統芸能等の公演や美術展等の巡回事業について、財団法人地域創造が共催し、実施しているものです。対象団体、要件等は以下の通りです。次年度以降の事業で共催を希望する公演などがありましたら、担当までお問い合わせください。

 

 なお、今年度は実施いたしませんでしたが、国立劇場の協力を得て開催する歌舞伎鑑賞教室の地方公演を可能なエリアで、11年度事業として4月に実施する予定で準備中です。この事業に関して興味をお持ちのホールがありましたら、ご連絡ください。

 

●芸術提供・共催事業について

 

◎共催要件・内容等
財団法人地域創造は、共催の対象となる事業を主催する地方公共団体、一定の公益法人等に対し、当該事業に係る総事業経費の額から入場料収入を控除した額の2分の1の額を基本として、必要と認める額を負担します。費用負担の上限は1000万円とします。

 

◎共催対象事業
10年度現在共催対象としている事業は、主として次のとおりです。
1)音楽分野:「小澤征爾氏の指揮による新日本フィルハーモニー交響楽団(地方公演)」
2)演劇・ダンス分野:鈴木忠志氏の総合プロデュースにより、地域で活躍する演劇人と全国で活躍する演劇人との共同作業により舞台作品を創造し、発表する事業。
3)伝統芸能分野:「能楽座の協力による能・狂言」、「国立劇場の協力による歌舞伎」について、地方公演を提供し、共催します。
4)美術分野:地域において触れる機会の少ない、特に良質の絵画・彫刻等の美術展等。

 

 

音楽分野

 

●新日本フィルハーモニー交響楽団公演

 

 5月4日から16日にかけて、G・シュワルツ指揮新日本フィルハーモニー交響楽団によるオペラ「ペレアスとメリザンド」の公演が富山、尼崎、名古屋の3都市で開催されました。「ペレアスとメリザンド」は、マーテルリンクの戯曲を原作としたドビュッシー唯一のオペラ作品で、近代オペラの最高傑作の1つに数えられています。予定されていた小澤征爾氏の指揮は都合により実現されませんでしたが、他のオペラ作品とは多少趣の異なるいかにもドビュッシーらしい詩的で幻想的な世界が繰り広げられました。

 

●歌劇『ペレアスとメリザンド』
作曲:C・ドビュッシー/指揮:ジェラード・シュワルツ/台本:モーリス・マーテルリンク/演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団/演出:ディヴィッド・ニース(メトロポリタン歌劇場首席演出家)/出演:テレサ・ストラータス、ドウエイン・クロフトほか/合唱:東京オペラシンガーズ

 

◎日程と会場
[富山市公演]5月4日、オーバードホール
[尼崎市公演]5月7日、尼崎アルカイックホール
[愛知公演]5月16日、愛知県芸術劇場大ホール

 

 

●第2回地方都市オーケストラフェスティバル

 

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 97年度に引き続き、第2回地方都市オーケストラフェスティバルがすみだトリフォニーホールで開催されます。これは、東京以外の地域を拠点に活動するプロ・オーケストラ14団体を3回に分けて紹介するという企画です。今年の1月から3月にかけて行われた第1回のフェスティバルでは、群馬交響楽団、山形交響楽団、九州交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団の5つのオーケストラが出演しました。都内のクラシック・ファンはもとより地域の応援団が駆けつけるオケもあり、好評を博しました。今年度は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団を皮切りに、大阪シンフォニカー、仙台フィルハーモニー管弦楽団など5つのオーケストラが出演します。この事業は、地方自治法施行50周年記念事業の一環として実施しているものです。

 

●第2回地方都市オーケストラフェスティバル
◎日程と出演団体 1月31日、神奈川フィルハーモニー管弦楽団/2月7日、大阪シンフォニカー/2月21日、出演団体未定/2月28日、仙台フィルハーモニー管弦楽団/3月7日、大阪フィルハーモニー交響楽団
[会場]すみだトリフォニーホール

 

 

演劇・ダンス分野

 

●舞台芸術活性化事業公演

 

 劇団「SCOT」の鈴木忠志氏の総合プロデュースにより、地域における文化的な潜在力を活性化する試みとして、地域で活躍する演劇人との共同作業により舞台作品を創造し、発表するものです。今年度についての詳細はまだ未定です。97年度は、青森県、飯塚市、埼玉県の3地域で開催されました。

 

伝統芸能分野

 

●「能楽座」による能・狂言公演

 

 「能楽座」とは、観世銕之丞氏を代表に95年に結成された流派を超えた能楽師による集団。近年、各地で能楽堂が建ち、能・狂言の公演に対するニーズが高まっているのに対して、従来の伝統的な公演形態では対応しきれないという現状を踏まえ、いわば「演能プロデュース集団」として東西の一流能楽師25人により旗揚げされたもの。大槻文蔵(観世流シテ方)、梅若六郎(同)、茂山千之丞(大蔵流狂言方)各氏など現在では26人が会員となっています。

 

 地域創造では、96年度より「能楽座」の協力を得て、全国で能・狂言の公演を開催しています。今年は、能「安達原」、狂言「二人大名」などを富山能楽堂をはじめ全国5会場で開催します。

 

●「能楽座」公演
[富山市公演]10月3日、富山能楽堂
[亀岡市公演]12月12日、亀岡市中央生涯学習センター
[東郷町公演]12月15日、東郷町総合文化センター
[八王子市公演]1月17日、八王子市芸術文化会館
[青森県公演]1月23日、八戸市公会堂

 

 

●雅 楽

 

「重要無形文化財である雅楽の宮内庁式部職楽部による地方公演が、6月20日、旭川市民文化会館で開催されます。

 

●宮内庁式部職楽部公演
6月20日 [会場]旭川市民文化会館

 

美術分野

 

●英国デイヴィッド・コレクション展

 

 イギリスのパーシヴァル・デイヴィッド卿(1892~1964)が収集した世界的な中国陶磁のコレクションの展覧会を開催します。この展覧会は、日英修好通商条約締結140周年を記念して開催される「英国祭98」の一環として行われるものです。「英国祭98」では、全国各地で美術、科学、スポーツ、音楽など幅広い分野で英国を紹介する催しが行われますが、この展覧会は、その中核イベントに位置づけられています。

 

 コレクション総数は1400余点。中国の宮廷御用の陶磁器を製造する官窯の精品を中心に、中国各時代の最高とされるものが多数含まれています。本展では、「パーシヴァル・デイヴィッド財団」の協力を得て日本初公開の作品を含む宋、元、明、清各時代の代表作約80点を厳選し、中国陶磁の珠玉の「宮廷コレクション」として展観します。

 

 この展覧会は、地域の美術館等が組織する実行委員会に地域創造が加わり、経費の一部を負担するというかたちで実施されます。東京セゾン美術館での展覧会後、大阪市立東洋陶磁美術館、福島県立美術館、山口県立萩美術館で開催予定です。特に、旧安宅コレクションを所蔵する大阪市立東洋陶磁美術館では、洋の東西で収集された世界的コレクションが出会うまたとない機会となりますので、是非ご鑑賞ください。

 

●「英国デイヴィッド・コレクション展」
12月13日~99年2月下旬、大阪市立東洋陶磁美術館/99年2月下旬~4月上旬、福島県立美術館/99年4月上旬~6月13日、山口県立萩美術館・浦上記念館

 

●芸術提供・共催事業に関する問い合わせ
財団法人地域創造総務部事業課
稲葉・平 Tel. 03-5573-4056

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